「ヘルスケア大学」記事に「間違い多数」と指摘 運営元「精査する」
「ヘルスケア大学」の記事に、間違いが多数含まれていると医師などが指摘している。運営元は「指摘を受けた記事は修正する」「指摘受けていない記事についても再度、自社の企業努力として精査する」と改めて発表した。
医師による監修をうたう医療・健康情報サイト「ヘルスケア大学」の記事に、間違いが多数含まれていると医師などが指摘している。運営元のリッチメディアは5月22日、「指摘を受けた記事は社内で確認がとれ次第、修正する」「指摘受けていない記事についても再度、自社の企業努力として精査する」と発表した。
ヘルスケア大学は、記事を医師が監修しているとうたう健康情報サイトで、5000人以上のドクターが参画しているという。病名などでGoogle検索すると上位にヒットすることが多く、ディー・エヌ・エー(DeNA)の医療サイト「WELQ」が閉鎖されて以降、注目が高まっている。運営元のリッチメディアは、ヘルスケア大学に加え、スキンケアに関する記事を掲載する「スキンケア大学」「メンズスキンケア大学」などを運営している。
ヘルスケア大学をめぐっては、以前監修を手伝っていたという医師の桑満おさむさんが、「内容に間違いや不正確な点がある」と、具体的な記事をあげてたびたび指摘。5月20日付けのブログでは、膀胱炎に関する記事の誤りを多数指摘した。また、リッチメディアの社長や社員とも数回にわたって面談し、「間違った情報は健康被害の原因になる。いったん閉鎖すべき」と提言したが「走りながら、精査して訂正する」との回答だったとしている。
リッチメディアは5月7日、「指摘を受けた記事は非公開にした上で修正し、医師の監修などを経た上で再公開する」と発表。複数の医師による監修の導入や、記事の改訂履歴を表示する仕組みを導入することも発表した。
22日にも声明を発表。「指摘を受けた記事は社内で確認がとれ次第、修正する」「指摘を受けていないものについても再度、自社の企業努力として精査する」とし、「様々な情報から誤解を招くような状況を改善」するよう努力するとしている。
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