大日本印刷(DNP)は6月2日、AR(拡張現実)技術を活用した能楽鑑賞システムの実証実験を7月末に始めると発表した。観客が装着した眼鏡型のAR端末に、場面ごとの解説文を表示。初めて鑑賞する人や訪日観光客でも、せりふの意味や物語の内容が理解できるようにサポートする。対応言語は日本語と英語。
演目の進み具合に応じ、ソニー製の眼鏡型端末「SmartEyeglass SED-E1」の画面上に解説コンテンツを表示する。タイミングの調整には、人の耳では聞き取れない信号をスピーカーから流し、眼鏡型端末が受信する技術「Another Track」(エヴィクサー製)を活用。Wi-Fiなどの通信環境を新たに整える必要がなく、全ての座席で安定した運用が可能としている。
公益社団法人宝生会(東京都文京区)が協力し、宝生流能楽公演「体感する能『黒塚』」(7月29日)など3公演で実証実験を行う予定。多言語対応や聴覚障害者への対応にも取り組み、システムの実用化を目指す。
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