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“最も熱い惑星”見つかる 表面温度は4300度 「惑星の概念を覆す大発見」
表面温度が摂氏約4300度の惑星を、東大などの研究チームが発見。惑星の形成過程を探る手掛かりになるという。
地球から約650光年離れた場所で、表面温度が摂氏約4300度にも達する、観測史上最も熱い惑星を発見したと、東京大学などの研究チームが6月6日に発表した。太陽(約5500度)などの恒星に匹敵するほど「常識外れの温度」で、「従来の惑星の概念を覆す大発見」という。
見つかった惑星は、「KELT-9」という恒星(表面温度は約1万度)の周囲を約1.5日の周期で公転している。惑星の質量は木星の約2.9倍、半径は約1.9倍で、恒星のそばを公転する巨大ガス惑星(ホットジュピター)に分類される。
同惑星は、恒星から強い紫外線を受け、大気成分が彗星のように宇宙に流出している可能性があるという。研究チームは観測を続け、大気の流出率を分析。惑星が恒星に全ての大気をはぎ取られるか、そうなる前に恒星に飲み込まれるかなど、惑星の運命を明らかにする予定だ。
太陽よりも高温な恒星の周りではこれまで、ホットジュピターは6個しか見つかっていなかった。今回のようなホットジュピターの発見は、高温の恒星付近ではホットジュピターができにくいのか、どこまで高い温度ならできるのか――など、惑星の形成過程を探る手掛かりにもなると研究チームは説明している。
研究成果は、米科学誌「Nature」(電子版)に6月5日付(現地時間)で掲載された。
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