私たちはネットの「デマ」や「フェイクニュース」とどう付き合うべきか:ITりてらしぃのすゝめ(3/3 ページ)
ネットを騒がせる「フェイクニュース」の存在。私たちは情報とどう付き合っていけばいいのでしょうか。
「心地いい情報」だけに囲まれるのは危険?
さて、これであなたの“耐フェイクニュース力”も、ほんの少しだけ上がったのではないかと思います。自分で区別を付けることはできなくても、「フェイクニュースは存在する」ということさえ感じていただければ、大きな一歩であるはずです。
次の問題は、よりフェイクニュースに強くなること。フェイクニュースの拡散にはSNSが使われるため、「あやふやな情報をシェアする人」を封じ込めることが対策の1つになります。より具体的には、あやふやな情報をシェアする人を「ミュートする」ということになりますが、実はここにも課題があります。
ある意味、このような「自分に合わない情報を出す人を見えなくする」ことを無意識に続けると、あなたのSNSは「自分にとって心地いい情報だけが集まる場」になります。イメージとしては、「周りがイエスマンしかいなくなったワンマン社長の会社」です。
実はこれも、フェイクニュースがまん延する理由の1つです。そのような心地いい環境に、もしあなたが真偽を区別できない、偽の情報が回ってきたら……。信頼する人からシェアされていれば、あなたはそれをあっさりと信じてしまうでしょう。
このような状況を、無意識に作られた情報のフィルターに包まれているという様子から「フィルターバブル」と呼びます。これも、今のSNSにおける大きな課題の1つです。私はこれまで問答無用でミュートをし続けていましたが、最近はあえて「ノイズを残して緊張感をちょっとだけ残す」ことも必要かもしれないと思い始めています。
この「フィルターバブル」も、フェイクニュース同様、簡単な解決策は見つかりません。しかし、SNSにおける課題がこのように可視化されたのは、理解の第一歩だと思っています。
偽の情報を見分ける力を付けることも重要ですが、これは生半可な知識では不可能です。そのため、まずは「フェイクニュース」と「フィルターバブル」という言葉から、自分のSNSの状況を見直してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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