特許庁は6月21日、一部の出願人が「出願手数料の支払いがない商標登録出願」(瑕疵のある出願)を大量に行っているとして、第三者に商標を出願された当事者に対し「先に瑕疵がある出願を他人がしていても、その却下を待つ必要はなく出願できる」と呼び掛けた。後から出願しやすいように、審査・登録時の運用も見直す。
特許庁は従来も、先に出された瑕疵のある出願の却下を待たずに、後願(後からの出願)の審査を始めていたという。だが、後願が審査をクリアしても、先願が却下されるまでは商標登録が完了せず、後願側に「拒絶理由」(先願があるため進められない旨)を通知する場合があった。
今後はこの運用を見直し、拒絶理由を通知する際は「拒絶理由になっている先願に瑕疵がある」「先願の却下を確認次第、登録査定を行う」と明示するという。
特許庁は今年5月、一部の商標登録出願人が「他人の商標の先取りとなるような出願」を大量に行っていると注意喚起(関連記事)。大量出願は、出願人が正当な権利を持たないだけでなく、瑕疵のある出願であるケースも多いと指摘していた。
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