ハウステンボス、夜空彩る「ドローンショー」開催へ Intelが技術協力
米Intelの「ドローン・ライトショー」が、ハウステンボスで日本初開催。LEDライトを搭載したドローンが夜空に図形を描く。花火大会ともコラボする予定。
ハウステンボスは6月23日、LEDライトを搭載するドローンを使ったショーを、同社が運営するテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)で7月22日〜8月5日に行うと発表した。約300台のドローンがフォーメーションを保ちながら夜空を飛び、光によって図形や文字を描く。米Intelが技術協力する。
これまでIntelが米国などで100回以上開催している「ドローン・ライトショー」を、日本で初めて行う。ハウステンボス園内「ハーバーエリア」で、風雨の影響がある場合を除き毎晩開催する予定だ。ドローンの飛行時間は10分ほどで、7月22日と8月5日には花火大会ともコラボし「最も感動的なタイミングでドローンを用いる」という。一晩に何度開催するか、ショーの料金などは未定(入園料が別途必要)。
使用するドローンは、エンターテインメント利用に特化したというIntel製「Shooting Star」。搭載するLEDライトで、ドローン1台で約40億の色を表現できるという。機体の重さは約320グラム。
ショーの演出はハウステンボスと、同社が出資するロボット開発会社「hapi-robo st」(ハピロボ、東京都港区)が担当。Intelはドローンを制御するプログラムを制作し、300台のドローンを1台のコンピュータ、1人のパイロットでコントロールできるようにするという。
“安全面の壁” それでも「ドローンショーを実現したい」
2015年に成立した改正航空法では、許可なくドローンを住宅密集地などで飛ばすことを禁止している。ドローンショーは“安全面での壁”のために日本国内での実現が難しかったが、ハウステンボスの私有地と海上を利用することで実現した。
ハウステンボスは、これまでもハピロボと共同でドローンショーの開催を検討していたが、ショー専用のドローン開発が行き詰まり難航。「それでも日本でドローンショーを実現したい」と、ハピロボの富田直美社長がノウハウのあるIntelにアイデアを持ち込んだという。
Intelのアニール・ナンデュリさん(テクノロジー事業本部副社長)は、「制御プログラムを作るときに最も難しかったのは、ドローン同士がぶつかることなく演出に合わせて動くようにすること」と話す。試作を繰り返して安全性を確保し、日本の航空当局の許可を得たという。
「日本はドローン技術を知らない人が多く、ドローンの受け入れ体制が整っていない」とナンデュリ副社長。「まずはライトショーで子どもから大人まで楽しんでもらえれば、ドローンそのものが社会に受け入れられると考えている」。
ハウステンボスの澤田秀雄社長は「ハウステンボスはオンリーワン、ナンバーワンの最新テクノロジーイベントの開催を目指している。今回のドローンショーで、多くの来園者に感動してもらいたい」と話した。
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