「不動産屋のあり方変わる」――VRでお部屋探し「どこでもストア」登場 3分で内見
VR(仮想現実)映像で不動産を内見できる不動産案内所「どこでもストア」が、イオン品川シーサイド店に登場。1件の内見が3分程度で終わる手軽さが売りだ。
実際の物件に行かなくても、VR(仮想現実)映像で内見できる不動産案内所「どこでもストア」が6月30日、イオン品川シーサイド店(東京都品川区)に登場した。案内所はほぼ無人だが、遠隔地にいる営業スタッフと通話でき、VR映像を体験しながら物件の案内をしてもらえる。1件の内見が3分程度で終わる手軽さが売りだ。同店舗だけでなく、2017年度内に首都圏の商業施設など25カ所に設置を予定している。
ユーザーが「どこでもストア」のブース内に着席すると、ブースに備え付けられたディスプレイに十数件のサンプル物件を表示。ユーザーが好みの物件を選ぶと、近くの不動産会社の実店舗にいるスタッフと電話がつながる。スタッフは、ユーザーが選んだサンプル物件から好みを判断し、住みたい場所、家賃などの要望を踏まえ、候補物件をピックアップ。このタイミングでユーザーがVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着し、候補物件を360度写真で内見できる。
30日現在でスタッフが案内可能なのは、イオンモールが運営する「イオンハウジング」の賃貸物件数万件、大京穴吹不動産の賃貸・売買物件数十件。三菱地所レジデンスラウンジの新築物件売買の相談窓口にもつながる。物件数は順次拡大するという。
どこでもストアは基本的に無人だが、定期的にスタッフが巡回し、VR HMDの衛生管理をしたり、ユーザーに操作方法を案内したりする。
同サービスの運営は、イオンハウジングのフランチャイズ展開をしているフォーメンバーズ(東京都中央区)が担当。システム開発は、VR関連サービスを手掛けるナーブ(千代田区)が協力した。
「不動産店舗の在り方が変わる」
「不動産業界の店舗の在り方が変わる」――フォーメンバーズの矢野晃教社長は、どこでもストアにそう期待する。
ユーザーが物件を探すとなると、まずネット上の物件情報、写真を参考に“当たり”を付け、実際に不動産会社の店舗に出向き、内見するのが一般的だ。しかし「ネット上の写真と実際の内見とではギャップがあり、1日中かかって10件近く見て回る人もいる」と矢野社長は指摘する。
「VR映像はそのギャップを埋める」という。VR映像を見て、間取りのデータや写真からは読み取りにくい部屋のイメージを体験し、リアルで内見する物件を絞り込むことで、効率よく案内する考えだ。イオンモールへの設置に先駆け、フォーメンバーズの実店舗がVR映像を試験導入したところ、ユーザーがリアルで内見した物件数は「1回当たり約5件から約1〜3件程度に減った」という。
「1日かかるはずの内見が3〜4時間で済む。忙しくて物件選びに時間が掛けられないユーザーも利用しやすくなるし、店舗スタッフの営業効率も上がる。全ての課題を解決する夢のような装置ではないか」(矢野社長)
関連記事
- VRを悪用すれば「相手を洗脳できる」「数千人を嘔吐させられる」 「サマーレッスン」開発者がリスク指摘
「サマーレッスン」開発者の原田勝弘さんが、政府のサイバーセキュリティ啓発イベントでVR技術に潜むリスクを説明。ユーザーを嘔吐させたり、洗脳したりできる可能性があるという。 - 宇宙へぶっ飛ぶ逆バンジー、本格的な心霊体験も 渋谷のハウステンボスVRを先行体験
ハウステンボスが、6月24日にVR施設「SHIBUYA VR LAND by HUIS TEN BOSCH」をオープン。「宇宙へ飛ぶ逆バンジー」からイケメンによる「壁ドン」まで、5つのコンテンツを体験してきた。 - 大迫力の“リアルマリオカート” 新宿に登場するバンナムのVRを先行体験
バンダイナムコが7月14日にオープンするエンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」のVRアクティビティーを先行体験。大迫力の「マリオカート」をプレイ。 - 「お姉さん、よかったら添い寝していきませんか」――記者(♀)が男子プリズムスタァにキスしてもらった VR世界で
「KING OF PRISM by PrettyRhythm」のVR第2弾がスマホアプリで登場。開発者いわく「ファンが一番したいことを実現」。 - 「VRが世の中を変えると確信した」 元ネトゲ廃人の公務員がVR専門メディアを立ち上げるまで
異色の経歴を持つVR専門メディア「Mogura VR」の久保田編集長に、VRに傾倒する理由を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.