VCによる女性起業家セクハラ問題、NYTの記事を受け2人の著名VCが謝罪
The Informtionに続き、New York TimesもシリコンバレーのVCによる女性起業家セクハラ問題に関する記事を掲載。ここで名前を出された著名VC、クリス・サッカ氏とデイブ・マクルーア氏がそれぞれ謝罪文を発表した。
米New York Timesは6月30日(現地時間)、VC(ベンチャーキャピタリスト)からセクハラを受けたという20人以上の女性起業家への取材に基いた「Women in Tech Speak Frankly on Culture of Harassment」という記事を掲載した。
米The Informationが22日に掲載した、Binary CapitalのVC(当時。この記事を受けて退社した)、ジャスティン・カルドベック氏の記事でカミングアウトした女性起業家達に続いて、多数の女性が名前を出して被害を語った。
New York Timesの記事では、加害者側として3人の著名投資家、Lowercase CapitalのVCでTwitterへの投資などで知られるクリス・サッカ氏、500 Startupsのデイブ・マクルーア氏、エンジェル投資家のマーク・カンター氏の名前も挙がった。
サッカ氏はThe Informationの記事が公開された後、自身のMediumで「I Have More Work To Do.」というブログを公開し、自分もシリコンバレーで活動を始めたころ、女性がこの業界で歓迎されていないと感じるようなことをしていたと認め、謝罪した。その段階では具体的なセクハラについては触れず、業界全体の問題として語っていたが、New York Timesの記事が公開された後にブログを更新し、「8年も前のことなのでよく覚えていない」が、「(サッカ氏名指しで被害を語った)スーザンには今でも感謝している」とした。
マクルーア氏は7月1日、自身のMediumで「I’m a Creep. I’m Sorry.」というタイトルのブログを公開し、「私は自分が悪い人間ではないと信じているが、過去の行動が数人の女性を傷つけたことは明白だ」とし、「特にサラ・クンスト氏に対して、数年前のある夜に数人で飲んでいる際、飲みながら不適切に口説いたことについて心から謝罪する」と記した。
同氏はまた、500 Startupsでの話し合いの結果、CEOの座を同僚のクリスティン・ツァイ氏に譲ったことも明らかにした。
ツァイ氏は500 Startupsの公式ブログで、マクルーア氏の不適切な行為については数カ月前から問題視していたとしている。
カンター氏は本稿執筆現在、特に謝罪はしていない。同氏は記事公開直後に自身のTwitterで自己弁護するようなツイートを投稿していたが、その後削除した。
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