Amazonプライムデー、開催時間拡大で売上増へ 一方、配送問題は……
Amazonが、年に1度のプライム会員向けセール「プライムデー」を7月10日午後6時にスタート。開催時間を30時間に拡大し、昨年を上回る注文を見込む。一方、配送問題は……。
Amazon.co.jpは7月10日午後6時から、年に1度のプライム会員向けセール「プライムデー」を開催する。2016年は24時間の開催だったが、今年は30時間に拡大。品ぞろえも強化し、売り上げ増加を見込む。注文集中による配送遅延リスクなどについては「配送も含めプランニングを行い、準備を整えた」(アマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長)としている。
日本国内でプライムデーの開催は、2015年から3回目。2016年は、15年と比べると全世界で50〜60%売り上げを伸ばしたという。今年は開催時間を10日午後6時〜午後11時59分の30時間に延ばし、出品カテゴリーも拡充して、さらなる売り上げ増加を狙う。
10日午後8時現在、セールページを確認してみると、Fire HD 8タブレットの最新モデル(16GB)が50%オフの5980円(税込)、ダイソンのスティッククリーナーが54%オフの2万3600円(税込)など、通常時よりもかなり安価で販売されている。
期間中は、5分ごとにセール品が登場する「数量限定タイムセール」を実施(一部の時間帯を除く)するほか、目玉商品として独Mercedes-Benzのスポーツカー「Mercedes AMG E 63 S 4MATIC+」を限定1台で出品する。ジャスパー・チャン社長は「欲しかったものを買ってもらう機会にしたい」と話す。
一方、セールで注文が増えるとすれば、懸念点になるのが“配送の問題”だ。
日本経済新聞などの報道によれば、配送の主力を担うヤマト運輸が、人手不足などを理由に当日配送の受託を縮小。その影響か、地域限定の配送業者「デリバリープロバイダ」の負担が増え、6月下旬ごろから「指定時間帯に届かない」などのトラブルが相次いでいる(関連記事)。
しかし、ジャスパー・チェン社長は「すでに解決済み」と説明する。「遅延などの件数は申し上げられないが、すでに解消している。プライムデーに向けて配送も含めプランニングを行い、準備を整えている」(ジャスパー・チャン社長)という。具体的な数値や対応策については、明言を避けた。
実店舗も登場 プライム会員の新規獲得へ
プライムデーの開催に合わせ、プライム会員の特典を体験できる実店舗「Amazonプライム ポップアップストア」(東京・六本木)も9〜11日の期間限定でオープン。プライム会員の新規獲得につなげる。
「今回のポップアップストアは、日本でのプライム会員サービス10周年を記念したもの。ひとまずはこれ限りで考えている」(ジャスパー・チャン社長)
今後もプライム会員向けのサービスを拡充し、「ユーザーが『プライム会員にならないなんて考えられない』と思うようなサービスを目指す」(同社)。現時点では、サービス拡充に当たり、会員費用の値上げは検討していないという。
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