AIが答案分析、理解度別に復習教材――奈良市立の小学校が導入
学校のテスト結果をAIが分析し、生徒ごとの理解度に応じた復習教材を用意するサービスを、大日本印刷が提供。奈良市立の全小学校で、4年生の算数を対象に導入する。
大日本印刷(DNP)は7月18日、学校のテスト結果をAI(人工知能)が分析し、生徒ごとに理解度をチェックするサービスを、奈良市の全市立小学校で9月に導入すると発表した。分析結果に応じ、生徒一人一人の理解度に合った教材を提供するという。小学4年生の算数が対象。
学校で実施した単元テスト、期末テストの結果を、DNPのクラウドシステムにアップロードすると、AIがデータを分析。採点データを基に、問題ごとの客観的な難易度を算出し、難易度や正誤などから各生徒の理解度を導き出すという。数字が答えになるテストが分析対象。
復習教材は、理解度ごとに生徒をランク分けし、ランク別のものをカスタマイズして提供。間違えた問題の類題をそのまま全て収録するわけではなく、例えば「同ランクの他生徒の正答率が高く、解けるはずなのに間違えた問題」は、ケアレスミスの可能性があるのでは――などと判断し、収録しない場合もあるという。算数の場合、最大約6万通りの教材を提供可能としている。
復習教材のプリントは、採点データのアップロード後3日ほどで学校に届く。デジタル教材の場合は、さらに短時間で用意できる可能性もあるという。
DNP広報室の近藤岳さんは「奈良市をはじめ全国の学校で、教える側の指導レベルに幅があり、生徒一人一人に対応しきれないという課題があった」と指摘。そうした課題を解決し、教師の負担を軽減する狙いもあるとしている。
今後は、正誤データを分析しやすい理科などへ提供科目を広げるほか、奈良市以外への展開も検討する。
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