「Second Life」のLinden Lab、新VR世界構築プラットフォーム「Sansar」β公開
早すぎた仮想世界「Second Life」で知られるLinden Labが、新たなVRプラットフォーム「Sansar」(サンサー)を発表した。HTC ViveとOculus Rift、Windowパソコンで、独自のVR世界を構築したり、人が構築した世界をアバターとして訪問したりできる。
3D仮想空間「Second Life」を運営する米Linden Labは7月31日(現地時間)、新しいVR(仮想現実)プラットフォーム「Sansar」(サンサー)の「creator beta」を一般に公開した。
VR HMDの「HTC Vive」と「Oculus Rift」、Windows PC(Windows 7以降)で楽しめるVR世界を構築し、そこでコミュニケーションし、仮想製品や体験を売買できる。
利用するにはクライアントアプリのインストールが必要。基本は無料で、クリエイター向けのサポートは月額9.99ドルから。オンラインストア「Sansar Store」で様々なアイテムを販売している。
Linden Labは2015年にSansarのクローズドβを立ち上げた。この段階ではアイテムはAutodeskの「Maya」でしか作れなかったが、現在はSansar Storeで多様な3Dモデリングツールを販売している。販売されているアイテムを購入し、自分のVR世界にドラッグ&ドロップで追加することも可能だ。
構築したVR世界はFacebookやTwitterで公開できる。1つのVR世界には今のところ同時に35人のユーザーが参加できる。
ユーザーはSecond Lifeと同様に自分のアバターを作り、アバターを通じて他のユーザーとコミュニケートできる。VR HMDを装着していれば、マイクでしゃべるだけでアバターの口が同期して動く(記事末の動画の最後の方を参照のこと)。
「Atlas」というディレクトリで、クリエイターが構築したマルチプレイヤーゲームや映画館、博物館、アバター同士で語り合えるサロンなどを試せる。
Linden LabはSansarを、個人で楽しむだけでなく、学校や企業、ブランドが手軽に独自のVR世界を構築するためのプラットフォームと位置付けている。
なお、2003年に立ち上げた仮想世界Second Lifeは今もサービスを継続しており、2014年にはOculus Riftに対応した。
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