Google、アンチダイバーシティ文書のエンジニアを解雇か
Google社内で「女性はエンジニアに向いていない」という根拠にダイバーシティの取り組みを批判する文書を公開したエンジニアが解雇されたとBloombergが報じた。Googleはコメントを拒否した。
米Googleのダイバーシティの取り組みを批判する文書を社内で公開したエンジニアが解雇されたと、米Bloombergが8月7日(現地時間)、本人のメールに基いてそう報じた。
Googleは従業員個人についての質問には答えられないと、Bloombergに対してコメントを拒否した。
「Google's Ideological Echo Chamber」と題した問題の文書を公開したジェームズ・ダモア氏は、同氏のGoogle+によると、ハーバード大学でシステム生物学を学び、2013年にGoogleにエンジニアとして入社した。同氏はこの文書で、女性は生まれながらにエンジニアに向かないとし、Googleのダイバーシティ策は会社にとって不利益だと主張した。この文書の全文は米Gizmodoの記事で読める。
この件について同社のダイバーシティ担当副社長、ダニエル・ブラウン氏は4日、「文書はジェンダーについて間違った仮説を提示していると思う」としながら、「Googleの行動綱領、ポリシー、差別禁止法に違反しない限り」オープンに意見を主張できる企業であることが重要だと語った。
Bloombergによると、スンダー・ピチャイCEOは7日、全社従業員宛のメモで、この文書は「行動綱領に反し、性別に関する有害な固定観念で職場における一線を超えた」と語ったという。同氏は文書の作者を解雇したかどうかについては言及していない。
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