PCゲーム「Dota2」でAIが世界トッププロに勝利
AI研究企業OpenAIが開発した人工知能が、PCゲーム「Dota2」の1対1バトルで世界のトッププロに勝利した。
非営利のAI(人工知能)研究企業OpenAIはこのほど、開発したAI botがPCゲーム「Dota2」(米Valve)で世界のトッププロプレイヤーに勝利したと公式ブログで発表した。
Dota2は、将棋や囲碁とは違って攻撃の順番が決まっていない、リアルタイムストラテジーゲームの一種。「ヒーロー」というキャラクターを複数操り、敵の本拠点を破壊した側が勝利となる。100種以上のヒーローを組み合わせて戦うため、さまざまな戦術があり、戦略性や競技性が高いのが特徴だ。
今回AI botが人間のトッププロを破ったのは、「1v1」と呼ばれる1対1のバトル。Dota2の世界大会「The International 2017」で、トッププレイヤーのDendi選手を下した。
1v1は、相手の攻撃や防御を予測し、相手の行動の裏をかくような行動が求められるゲームで、反射神経よりも戦略性が問われる傾向にあるという。
AI botは、模倣学習やツリー検索を使わず、ほかのプレイヤーが移動する場所を予測したり、なじみのない状況にも即席で対応したりと、繰り返しゲームをプレイする中で自己学習させる手法を使ったという。OpenAIは「今後は、5対5のチーム戦で人間と共に戦えるAI botを作りたい」としている。
大会前にも、AI botはSumaiL選手やArteezy選手などのトッププレイヤーと戦い、無敗だったという。
近年、将棋や囲碁などで、AIが人間のプロを相次いで撃破。2017年2月には、米カーネギーメロン大学が開発したAIが、ポーカーのプロ選手4人を打ち負かしている。
【訂正:2017年8月14日午後7時37分 初出時「Dendi選手」を「Denbi選手」と表記していました。お詫びして訂正いたします】
【訂正:2017年8月15日午前10時25分 Arteezy選手の写真説明を修正しました】
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