少年ジャンプ編集部、騒然 「スマホと指で描いた漫画」がルーキー賞 新人漫画家あつもりそうさんの素顔:ゆとり記者が聞く(2/4 ページ)
「スマホと指で描いた漫画」が集英社の漫画賞を受賞した。20歳の新人漫画家は、なぜ漫画制作でスマホを手に取ったのか。
「初めてのスマホ執筆」は挫折
「子供の頃にすごく漫画を読んでいたという記憶もなく、比較的うちには漫画がない環境だったと思います」(あつもりそうさん)
そんなあつもりそうさんは、中学生のときにテレビアニメ『バクマン。』を見て「漫画を描きたい」と思ったという。「キャプテン翼を見てサッカーを始めたようなものですかね」とあどけなく笑う。
実際に描き始めたのは高校に入ってから。最初は紙とペンでイラストを描いていたが、美術部の友人はみんな「スマホで絵を描いていた」。友人たちが使っていたのは「ibisPaint」(アイビスペイント)というアプリ。「ペンを使っている子もいたけど、指で描く子が多かった」という。
「みんなと言っても、僕の周りの人たちだけかもしれません。自分にもできそうかもと思って挑戦してみましたが、全然無理だなと……。それからはしばらくスマホでは描かなかった」
スマホでの執筆に挫折したのと同じころ、母親からワコムのペンタブレット「Intuos」を買ってもらった。しかしデスクトップPCが家族共用だったため、自由にPCを使うこともままならない。結局1〜2枚のイラストを描いただけで、ペンタブもホコリをかぶってしまった。
デジタル環境が肌に合わず、再び手に取ったのが紙とペン。「高校1年生くらいから漫画らしきものは描いていて、未完のものも含めて4作くらい描きました」。その後もイラストは高校卒業まで描き続けた。
「あまり勉強をしなかったので、そのまま浪人して予備校に通った」――そんな浪人時代に“あるもの”を見つけたことがきっかけで、彼はもう一度スマホで絵を描くことになる。
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