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金星に未知のジェット気流 探査機「あかつき」が発見
金星赤道付近の上空(高度約45〜60キロ)で、未知のジェット気流が見つかった。金星大気を吹く強風「スーパーローテーション」のメカニズム解明につながるという。
北海道大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月29日、探査機「あかつき」の観測データを分析したところ、金星赤道付近の上空(高度約45〜60キロ)で、未知のジェット気流を発見し「赤道ジェット」と命名したと発表した。「金星大気の高速回転の謎を解く鍵になる」としている。
金星の表面は分厚い雲が覆っており、その雲頂(高度約70キロ)では自転の速さを上回る「スーパーローテーション」(秒速100メートルの東風)が吹いているが、詳しいメカニズムは分かっていない。また分厚い雲の下は可視光では見通せず、十分な観測データがなかったこともあり、高度45〜60キロでは、風速がほぼ一定で比較的遅いと考えられていた。
研究チームは、あかつき搭載の赤外線カメラが2016年3〜8月に捉えた映像を分析し、風速を求めたところ、16年7月の観測データから、秒速80〜90キロ程度の赤道ジェットが見つかった。赤道ジェットはその後少なくとも2カ月は継続して吹いていたという。
現時点では赤道ジェットが生じる原因は不明だが、現象を説明しうるメカニズムは絞られるという。このメカニズムを解明すれば、局所的なジェット気流だけでなく、スーパーローテーションの理論についても知見が得られるとしている。
研究成果は、英科学誌「Nature Geoscience」(電子版)に8月28日付(英国時間)で掲載された。
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