ソニーが“クルマ”開発 窓の代わりにディスプレイ
ソニーがコンセプトカー「New Concept Cart SC-1」を試作。人による運転のほか、クラウドを介した遠隔操作で走行できる。
ソニーは10月23日、CMOSセンサーや4Kディスプレイ、人工知能(AI)を搭載したコンセプトカー「New Concept Cart SC-1」を試作したと発表した。3人乗りの四角いクルマで、人による運転のほか、クラウドを介した遠隔操作して走行できる。
走行速度は0〜19km/時。サイズは3140(全長)×1310(全幅)×1850(全高)ミリ。
35ミリフルサイズCMOSセンサー(Exmor)を車両の前後左右に合計5個搭載し、360度全方向を映像で把握できる。超音波センサーと、レーザーを用いて画像検出・測距を行う「2次元LIDAR」も搭載した。
車外のセンサーでとらえた映像を車内のディスプレイ(49インチの4K液晶×1台)に映すことで、乗員は、夜間でもヘッドライトなしで周囲の状況を視認できるとしている。
窓はなく、車外の窓の位置には55インチの4K液晶ディスプレイ×4台を配置。車両の周囲にいる人に映像を見せられる。また、センサーで得られた映像を人工知能(AI)で解析し、性別・年齢などの属性を判断し、発信する情報を変化させられるという。
自社開発のMixed Reality(MR)技術も採用した。車内のディスプレイに映った車外の映像に、さまざまなCGを重ねることで、「車窓がエンタテインメント空間に変貌し、移動自体をより楽しめる」としている。
クラウドとネット接続し、走行情報を蓄積。情報をディープラーニングで解析して走行をサポートするほか、センサーでとらえた情報をエッジコンピューティングで判断し、安全走行を支援する。
9月から、沖縄科学技術大学院大学学園のキャンパスでSC-1の実証実験を開始した。各種走行試験に加え、太陽光など自然エネルギーの利用も含めた電力利用や、走行時の消費電力の低減、最適化などを検討する。
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