「MERY」11月再開 全記事二重チェック、旧MERYの記事は使わず
休止していた女性向けメディア「MERY」が11月21日に再開。全記事を「公認ライター」と編集部で執筆。校閲を行い、編集部で二重チェックをした後で公開するなど、執筆体制を見直す。
ディー・エヌ・エー(DeNA)と小学館の合弁企業MERYは10月26日、休止していた女性向けメディア「MERY」を11月21日に再開すると発表し、ティーザーサイトを公開した。iOS/Androidアプリの形で提供する。新MERYは全記事を「公認ライター」と編集部で執筆。校閲を行い、編集部で二重チェックした後で公開するなど、執筆・編集体制を見直して再出発する。
MERYは、DeNAが2014年に買収した女性向けメディアで、10〜20代女性に圧倒的支持を受けていた。だが2016年末、MERYを含むDeNAの10のキュレーションメディアについて、内容の信頼性の問題や、他サイトからの無断転載などが発覚。DeNAは10メディアをすべて非公開にした。MERYについては「女子大生インターンが、低賃金で執筆・量産していた」と報じられるなど、記事の執筆体制も批判を浴びていた。
新MERYは、「かわいくなりたい女の子のためのメディア」を掲げ、ファッションや美容、恋愛などの記事を配信。記事の執筆は、採用面接を行って教育・研修を受けた「MERY公認ライター」と編集部が行い、一般投稿による記事や、非公開化前の旧MERYの記事は一切使用しないという。また、全記事について、校閲・編集部の二重チェック後に公開するとしている。
DeNAが休止したキュレーションメディアを再開するのは、MERYが初。「MERYが成り立てば、休止している(ほかの)サイトをどうするか検討する」と、守安功社長は8月の決算会見で話していた。
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