Facebook、広告が好調で最高益だが「“ロシア介入疑惑対策”が収益に影響するだろう」とザッカーバーグCEO
Facebookの7〜9月期決算は、売り上げの98%を占める広告の売上高が49%増と好調で、売上高は103億2800万ドル、純利益は過去最高の47億700万ドルだった。ザッカーバーグCEOはロシア介入疑惑について「コミュニティの安全は収益より重要」として安全強化のために多額を投資すると語った。
米Facebookが11月1日(現地時間)に発表した第3四半期(7〜9月)の決算は、広告が好調で、売上高は前年同期比47%増の103億2800万ドル、純利益は79%増の47億700万ドル(1株当たり1.59ドル)だった。売上高は初の100億ドル台、純利益は過去最高だった。
売上高、純利益ともにアナリスト予測(売上高は98億4000万ドル、1株当たり純利益は1.28ドル)を大きく上回った。
営業利益率は6ポイント増の50%だった。
日間アクティブユーザー数(DAU)は16%増の13億6800万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は16%増の20億7200万人だった。DAU、MAUに占めるモバイルからのユーザー率は2017年1〜3月期から公表しなくなっている。
広告による売上高は49%増の101億4200万ドルで、総売上高の98%を占めた。モバイル広告の売上高が広告売上高に占める割合は4ポイント増の88%だった。
6月末時点の従業員数は前期より2507人増の2万3165人だった。同社は5月、虚偽ニュース対策チームで3000人を雇用するとしていた。
業績発表後の電話会見では、マーク・ザッカーバーグCEOがまず、米大統領選へのロシア介入疑惑について説明した。11月1日の公聴会についても触れ、今後も連邦政府に協力していくとした。
「コミュニティを守ることは収益を上げるよりも重要」として、広告の透明性の強化や不正広告を検出するためのAI(人工知能)ツールの強化を約束した。「この問題は当初われわれが考えた以上に困難で、解決には時間がかかりそうだし完璧にはできないかもしれないが、対処する」という。
ザッカーバーグ氏は業績発表後に毎回投稿する発表原稿に恒例のインフォグラフィックスは添えなかった。この投稿で同氏は、「(われわれのサービスの)セキュリティのために多額を投資するので、それが収益に影響するだろう」としている。
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