ハウステンボスは11月6日、独自の電子通貨「テンボスコイン」を使った決済システムの実証実験を12月中旬に始めると発表した。従業員向けに約3カ月間導入し、社員食堂などでの決済に使ってもらう。キャッシュレス化によるサービス向上を目指す。
テンボスコインは、スマートフォンアプリの画面上で取引できる電子通貨。園内の指定場所でチャージ(1テンボスコイン=1円)し、現金を使わずに園内の食事・買い物の決済に利用できる。ネットサービスの企画・開発を行うアイリッジ(東京都港区)が開発に協力した。
まずハウステンボスの従業員約1300人を対象に、社員食堂や園内レストラン、物販店舗で試験導入する。実際の来園者が利用するシーンを想定し、技術・セキュリティ面の課題を抽出、本格運用に向けて改善するという。
ハウステンボスにとどまらず、電力小売り事業「HTBエナジー」など、グループ会社や周辺地域の事業者がテンボスコインを導入できる仕組みも検証する。
将来はテンボスコインを、円やドルなどと両替できる「仮想通貨」とする考え。同社が所有する1トンの金(約50億円相当)を活用し、「世界初の金本位制に基づく仮想通貨」の運用も計画している。
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