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「私にもできる」から「声のコスプレ」まで ボカロキーボードの可能性ボーカロイドキーボード開発秘話インタビュー(3/4 ページ)

12月に発売されるボーカロイドキーボードの開発者インタビュー後半。多様化するVOCALOIDの世界に、ボーカロイドキーボードはどんな変化をもたらすのか。

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「楽器」であり「VOCALOID」であることの強み

梅津:ボーカロイドキーボードは、「ボカロPになりたかったけど諦めた」という人にも楽しんでもらえると思います。ピアノさえ弾ければ歌詞を作って弾くだけで曲が作れますし、メロディー以外もキーボードで弾いて重ね録りすればいい。

 僕らはどうしてもDTMのような「形が決まっているもの」ばかり考えてしまいますが、そうやって単純に録音するだけでも音楽制作はできるんですよね。「(ボーカロイドキーボードなら)私にもできるかも!」と目をきらきらさせてくれる人をみて、いろいろな使い方があるだろうな、方向性はいくらでもあるだろうなと思いました。

 「歌うのが苦手だから代わりに歌わせよう」と言っていた人から「ボーカロイドキーボードがボーカルをやるバンドでコンテストしたらどうか」なんて話も出ましたし、ゆくゆくはボカロPやプロのアーティストに演奏してもらってそこに憧れる人が出て……なんてことが実現したらいいな、とも思います。

藤原:社内のジョークなんですが「(ボーカロイドキーボードが)紅白とかに出たら勝ちか!?」とも言われましたしね(笑)

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企画担当の藤原希望さん

藤原:ボーカロイドキーボードをきっかけに、楽器も楽しんでもらえると嬉しいですね。これまで楽器をやったことがない人が「VOCALOIDだから」とボーカロイドキーボードを始めて、普通のキーボードも弾けるようになる可能性もあると思っていて……というのも、実は濱野は鍵盤楽器をほとんど弾いたことがないんです。

――鍵盤楽器未経験で、ボーカロイドキーボードを思いついたんですか?

濱野:実はそうです。鍵盤はピアニカで卒業して、他の楽器も全然やらない。

藤原:でも今は弾けるし、上手なんですよ。

実際に弾いてもらいました

――いったいどうやって弾けるようになったんですか?

濱野:ボーカロイドキーボードは歌詞に合わせて弾くでしょう。だから、間違えるとすごく悔しいんですよ!

梅津:音ゲーみたいな感じですよね。「今ここを押したはずのに!」となる。

濱野:それで「じゃあもう1回!」「やっぱりもう1回!」……とやっていくうちに、いつの間にか弾けるようになっていました。実際に試してもらうと、この感覚が分かると思います。片手で弾いてみるだけでも十分楽しめるので「鍵盤楽器をやったことないから」という理由で諦めてほしくないですし、そうやって、鍵盤楽器も弾けるようになる人がいたら嬉しいですね。

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