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「量子ニューラルネットワーク」クラウドで一般公開 国立情報学研究所など

NTT、国立情報学研究所などが「量子ニューラルネットワーク」をクラウド上で11月27日に一般公開する。

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 NTT、国立情報学研究所などは11月20日、光の物理現象を使って複雑な問題の答えを解く「量子ニューラルネットワーク」をクラウド上で利用できるシステムを開発し、27日に一般ユーザーへ公開すると発表した。

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 量子ニューラルネットワーク(QNN)は、膨大な組み合わせから適した解を導く「組み合わせ最適化問題」を高速で解ける量子コンピュータの一種。長距離光ファイバーを周回する数千〜10万の光パルスを「量子ビット」の代わりに使う。約1000回周回する間に光パルス同士が相互作用し、最も安定した位相の組み合わせ(問題の答え)に落ち着く。

 例えば、「複数の荷物を複数の送り先に届けるとき、どの配送ルートが最適か」といった、選択肢が多数ある問題を高速で解ける。従来型のコンピュータでは、選択肢が増えるほど計算量が増加し、膨大な時間がかかっていた。QNNは光の量子力学的な特性を生かすことで、「従来のコンピュータから飛躍的に処理を高速化できる」(研究グループ)という。

 研究グループは、これまで大規模だったQNNの装置を、データセンターなどに設置できるサイズに小型化した。1週間以上、安定して大規模計算が行えるよう改良したという。この計算装置をユーザーがネット経由で使えるように、QNNクラウドシステムを構築、公開する。

 今後、QNNは創薬や無線通信など、さまざまな組み合わせ最適化問題への適用が期待できるとしている。

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