産業医の8割、「メンタル不調、過労対応に自信ない」 ストレスチェックも「効果なし」の声
メドピアの調査で、産業医の8割が「過労対応などに自信がない」と答えたことが分かった。
「産業医の約8割は、メンタルヘルス不調や過労の対応に自信がない」――医師専用コミュニティーサイトを運営するメドピア(東京都新宿区)が11月30日、こんな調査結果を発表した。産業医の7割は非常勤で、専門性や時間の不足に課題を感じているという。
今回調査した500人の産業医のうち、76%が非常勤として勤務。そのうち、1社当たりの平均勤務時間は、1カ月で2時間未満が最多(147人)。業務に占める時間が多いのは「衛生委員会への参加」「月1回の職場巡視」「健康診断の結果確認」などで、従業員との面談や相談にはあまり時間を割けていないことが分かった。
メンタルヘルス(精神面の健康)不調や過労の早期発見・対策に十分な役割を担えていると感じている産業医はわずか23%。残りの8割は「分からない」(42%)、「思わない」(34%)と回答し、「非専門で自信がない」「月1回の訪問では早期発見は不可能」などの声が上がった。
実際にメンタルヘルス不調や過労の面談を受けるきっかけは、「上長など周囲からのアラートを通じて」(184人)が最多。また、「ストレスチェックの導入がメンタルヘルス不調などの改善につながっていると実感」しているのはわずか13%。ほとんどの産業医がストレスチェックの効果を実感していないようだ。
これらの課題を解決するため、第三者の相談窓口との連携を希望する声が多く上がった。79%の産業医が「産業医以外にも気軽に健康相談できる場が必要」と回答。「従業員が気軽に相談できる場が少ない」「産業医には限界がある」と、ストレスチェックや産業医に頼りがちな現状に限界を感じていた。
調査期間は11月1日〜7日。医師用コミュニティーサイト「MedPeer」ユーザーの産業医500人を対象に、インターネット調査を実施した。
関連記事
- 「残業するな」「いいから帰れ」 会社員の4割が“ジタハラ”に悩み 高橋書店の調査
「働き方改革」推進の影響で、ビジネスパーソンの約4割が「時短ハラスメント」に悩まされているという。 - 「気持ちに余裕ない」「生産性落ちた」 働き方改革に負の面も──エン・ジャパン調査
エン・ジャパンが、転職サイト「ミドルの転職」を利用する35歳以上のユーザーを対象に「働き方改革」に関する調査を実施した。 - 女性の3人に1人「ネットでセクハラ」被害 30歳未満は4割が経験
シマンテックが、オンラインハラスメントに関する調査結果を発表した。 - 独身の9割「クリぼっちでも焦らない」 KDDIなど調査
KDDIなどの調査によると、独身男女の9割が「クリスマス前に恋人がいなくても焦っていない」と答えたという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.