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Kaspersky、米連邦政府を「製品締め出しは不当」として提訴
ロシアのセキュリティ企業Kasperskyが、米連邦政府を米連邦裁判所に提訴した。米連邦政府が「ロシア政府の諜報機関とつながりがある」として同社の製品を政府機関から締め出したのは不当で、同社の評判をおとしめたとしている。
ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは12月18日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領政権下の国土安全保障省(DHS)を米連邦裁判所に提訴したと発表した。
DHSが9月に同社の製品を連邦政府機関から排除する方針を発表したのは不当であり、Kasperskyの評判と商業活動に悪影響を及ぼしたとしている。
DHSは、Kasperskyの従業員とロシア政府の諜報機関とのつながりや、ロシアの法律でロシア政府の諜報機関は国内企業に情報提供を強要でき、通信傍受も可能であることなどを懸念しているとして、各省庁に90日後(12月12日)に製品排除を実行するよう指示した。Kasperskyに対しては、懸念緩和の機会を提供した。
Kasperskyはこれに対し、ロシア政府との不適切な関係を否定し、疑惑を解消するための検証結果を報告した。
同社は「DHSは(Kasperskyに)正当な証明プロセスを提供せず、情報源が不明なメディアの報道などに依存している」と主張する。
同社のユージン・カスペルスキーCEOはTwitterでも「証拠もなく、説明機会も与えられずに排除されたらどうしたらいいのだろう? われわれは、法廷にこの問題を持ち込むことで権利を守る。なぜなら、何も間違ったことはしていないからだ」とツイートした。
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