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Apple、旧型iPhoneの意図的減速について正式謝罪 バッテリー交換費を3200円に値下げへ
Appleが、旧型iPhoneのバッテリー劣化対策としてOSで意図的に動作速度を遅くし、かつそれを開示しなかったことについて正式に謝罪し、2018年の1年間はバッテリー交換費を50ドル値下げすると発表した。【UPDATE】日本では8800円が3200円になる。
米Appleは12月28日(現地時間)、iPhoneシリーズの旧モデルで、iOSのアップデートで動作速度を意図的に減速させたことおよびそれを開示しなかったことについて、正式に謝罪した。
Appleは、バッテリーの劣化によってどのような問題が発生するか、その発生を回避するためにどのような対策を実施したかについて説明し、すべては「顧客に最高の体験を提供するため」だったとしている。
同社は、「顧客の懸念を解消するため、顧客のロイヤリティを尊重するため、Appleの意図を疑う人々の信頼を回復するため」に以下を実施すると発表した。
- バッテリー交換が必要な「iPhone 6」以降のモデルのバッテリー交換コストを、2018年1月〜12月に50ドル値下げする。米国の場合は79ドルが29ドルに、日本では8800円が3200円になる
- 2018年初頭に、iPhoneのバッテリーの状態をチェックしやすい機能を追加するiOSアップデートを配信する
- バッテリーの劣化で引き起こされる急なシャットダウンを回避するための改善を含め、ユーザー体験の改善に務める
日本での現在のサポート外のバッテリー交換料金は8800円なので、4000円前後になりそうだ。
【UPDATE】本稿執筆後、日本語の公式サイトが更新され、バッテリー交換の日本での金額は5600円減額の3200円と明記された。
この件は、ある「iPhone 6s」ユーザーが米Redditに12月9日、iOSをアップデートしたら急に動作が遅くなったと投稿したことがきっかけだった。これについてカナダの開発者、PRIMATE LABSが12日にデータに基づいて問題を明確にし、Appleは20日にようやく米メディアに対し意図的な速度制限を認めた。
Appleは現在、この件をめぐって欧米で複数の集団訴訟を起こされている。
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