「格好悪い」「鼻眼鏡みたい」 見た目が話題になったウェアラブルデバイス「b.g.」 メガネスーパーのこだわり:ウェアラブルEXPO
Enhanlabo(エンハンラボ)が開発したウェアラブルデバイス「b.g.」は、そのユニークな見た目に「格好悪い」という声が相次いだ。しかし、そのデザインには意味がある。
メガネスーパー傘下のEnhanlabo(エンハンラボ)は、眼鏡型ウェアラブル端末「b.g.」(ビージー)の量産モデルを「第4回 ウェアラブルEXPO」(1月17日〜19日、東京ビッグサイト)に展示している。2017年12月の発表以来、ネット上では、その見た目に対して「格好悪い」「鼻眼鏡みたい」という厳しい声が寄せられている。このユニークなデザインにどのようなこだわりがあるのか。同社に聞いた。
開発は「軽量化の追求」から
b.g.は、HD(1280×960)解像度の非透過型有機ELディスプレイを2つ搭載し、HDMIで入力した映像を見られるウェアラブルデバイスだ。視界中央に表示した映像を両眼で見られる。通常の眼鏡をかけたまま装着でき、眼鏡屋でなければ実現できないかけ心地にこだわったという。
本体にはバッテリーを搭載せず、USB経由で給電する。スマートフォンなどを接続して映像をそのまま表示する機能に絞った。「b.g.専用アプリ」などを開発する必要がなく、業務用アプリの開発ハードルを下げる狙いもある。
「これまでの眼鏡型ウェアラブルデバイスは、『装着しづらい』『重たい』『見にくい』『使いづらい』という声が寄せられていた。b.g.は両眼視を実現しながら軽さを追求したところ、このデザインにたどり着いた」(同社)
価格は10万円前後を想定。コストをかければさらにいい素材を使えるが、ユーザー層を広げるため、なるべく低コストを目指したという。
「デザインは今後の課題と認識しているが、実際に着けて見た人からは、『思ったよりも見やすくてかけやすい』という評価を頂いている。1つ1つ(のデザイン)に意味があることを知っていただきたい」(同社)
眼鏡には700年の歴史がある。ウェアラブルはまだ初期段階
「ネット上でディスられようとも、今できるベストな答えを出していきたい」──Enhanlaboの座安剛史社長はこう語る。
b.g.は業務用途を想定したB2B向け商品だ。身に付けるウェアラブルデバイスとしてファッションの観点からデザイン性が求められるのは重々理解しているというが、まずは実用面の完成度を高めるのがウェアラブル業界全体の課題という。
「眼鏡は700年もの歴史があり、長い時間をかけて進化してきた。テンプル(耳かけ部分)が付いたのは100年ほど前から。b.g.も人間とテクノロジーの進化を共に歩んでいきながら、あるべき姿に変わっていくだろう」(座安社長)
座安社長は、ウェアラブルデバイスの進化が初期段階にもかかわらず、背伸びをして(デザインの)理想ばかりを追いかけていると、道具として求められる基本的なこともできていないものになってしまうことに危機感を持っている。
「『ディスプレイをハンズフリーにする』というのがウェアラブルデバイスの本質。今できるベストな答えを出して、テクノロジーが進化したら、それを取り入れてまた進化する──これ以外にないだろう」(座安社長)
訂正:2018/1/18 11:52):デザインを請け負った企業について誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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