「100回洗濯できる」生体データ計測ウェア 競走馬、高齢者の見守りにも:ウェアラブルEXPO
生体情報計測ウェア向けの素材「COCOMI」を開発する東洋紡が、同素材の競走馬や高齢者の見守りへの活用例を「第4回 ウェアラブルEXPO」で展示している。
東洋紡STCが、「第4回 ウェアラブルEXPO」(1月17日〜19日、東京ビッグサイト)で生体情報計測ウェア向けの機能性素材「COCOMI」(心美)を活用したウェアを展示している。「100回洗濯できる」耐久性と伸縮性のある柔軟さが特徴だ。
同社は、伸縮性に優れた導電材料を開発。COCOMIは、生体情報を取るために必要なセンサー用電極・配線材に使うフィルム状の機能性素材で、(1)伸縮性に優れる、(2)約0.3ミリの薄さ、(3)導電性が高く、電気をよく通す、(4)熱圧着で生地に簡単に貼り付けられる――などの特徴がある。
アスリート向けのトレーニングウェアを始め、競走馬調教支援システム「Horsecall」用ベルトカバー、“産後うつ”研究向けの妊婦用インナーウェア、高齢者や現場作業者の見守り用ウェアなど、幅広い分野で活用する。
Horsecallは、心拍数、位置情報、速度・タイムなどが測れるもので、レース前の追い込みなどで利用するという。東洋紡STCの丸山大さん(技術開発部 技術グループ)は、「馬は繊細なので、違和感なく生体情報を測るため、COCOMIのストレッチ素材を使っている」と話す。
見守りシステムでは、遠く離れた医師や管理者に心拍数などの生体情報をリアルタイムで送信する。「歩いている、止まっている、倒れている、といった状況を遠隔で把握できる。高齢者のみならず、炎天下で働く現場作業者の見守りなどにも活用できる」(丸山さん)
丸山さんは「100回洗濯できるとうたっているが、トレーニングウェアなどの用途を考えれば、さらに耐久性を高めていかないといけない」と課題も話した。
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