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EV充電履歴をブロックチェーンで管理 安価で安全な設備を 中部電力で実証実験
中部電力で、ブロックチェーン技術を使って電気自動車の充電履歴を管理する実証実験が始まった。
中部電力と、ソフトウェア開発などを行うインフォテリア(東京都品川区)、IoTベンチャーのNayuta(福岡市中央区)は3月1日、電気自動車(EV)など電動車の充電履歴をブロックチェーン技術で管理する実証実験を、中部電力の技術開発本部(名古屋市緑区)で始めた。安価に信頼性の高い充電管理システムを実現するのが目的だ。
Nayutaが開発したスマートコントラクトができる充電用コンセントと、インフォテリアが開発したスマートフォンアプリをネットやBluetoothでつなぎ、いつ誰が充電したかの履歴をブロックチェーンに記録して管理する。
スマートコントラクトは、ブロックチェーンの機能の1つで、あらかじめ契約の定義をプログラム化しておき、実際に契約を行う取引プロセスを自動化する仕組み。ブロックチェーン技術では契約の定義自体の改ざんが難しく、第三者を介さずに契約締結できるため、管理コストの削減につながるメリットがある。
例えばマンションのオーナーは、これまでコストや管理の問題からEV専用の充電設備を設置することに消極的で、居住者が充電設備の不足からEV購入を諦めるなどの課題があった。ブロックチェーン技術を用いた充電管理では居住者はスマートフォンで充電の権利を入手し、オーナーもスマートフォンで管理できる。
今回の技術を使い、低コストで信頼性の高い充電管理システムの運用を実現する狙い。実証実験を通して技術的課題の解決を図り、ユーザーの利便性を向上させるサービスの開発につなげるとしている。
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