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VRで“触覚”リアル再現、義手メーカーが開発 クルマのデザインに活用へ
ベンチャーのイクシーが、VR空間で触覚を再現するグローブ「EXOS」を開発した。クルマのデザインなどCADデータを、視覚と触覚の両方で確認できるようにする。
義手などを製作するベンチャーのイクシー(東京都中央区)はこのほど、VR空間で触れた物体の感触を再現するグローブ「EXOS」を開発した。VR映像に合わせてグローブに内蔵したモーターが動き、指に力が加わることで触覚を生み出す。開発中のクルマのデザインなどでは、CADデータを視覚と触覚の両方でチェックでき、工数削減を見込める。
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グローブはモーター2個を搭載し、前後と左右に力をかけ、物体に触れる感覚を再現する。アタッチメントを交換すると、市販のVR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の周辺機器「Vive Controller」「Oculus Touch」とも併用可能で、既に制作済みのコンテンツの拡張にも対応する。連続駆動時間は1.5時間。
イクシーによれば、日産自動車がEXOSの導入を検討。カーデザインプロセスの早い段階で活用する考えという。「ハンドルやバックミラーの位置はどのくらいにあるか」「運転席からボタンは押しやすいか」など車内デザインをVR空間で確認するとき、「モックアップに匹敵するレベルの検証ができる」(イクシー)としている。デザインの早い段階で課題を発見、完成イメージとのギャップを減らす――などのメリットが期待できる。
この他「銃を撃つ」「ボタンを押す」などゲームコンテンツの動作も再現でき、エンターテインメント分野での活用も想定。コンテンツを制作するパートナー企業、開発者を募集している。
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