AppleのクックCEO、Facebookスキャンダルを受け「プライバシー保護の規制が必要」と発言
Facebookスキャンダルを受け、Appleのティム・クックCEOが「この状況は非常に深刻で重大なものであり、おそらく適切な法的規制が必要だ」と語った。
米Appleのティム・クックCEOは3月24日(現地時間)、中国の北京で開催のChina Development Forumに登壇し、企業によるユーザーの個人情報利用については、適切な法的規制が必要だと語った。米Bloobmergが同日に報じた。
これは、米Facebookの約5000万人のユーザーデータが不正利用されたことに関連する、ユーザーデータの利用には規制が必要かという質問に対する回答だ。
「この状況は非常に深刻で重大なものであり、おそらく適切な法的規制が必要だと私は考える。私の考えでは、ユーザーの閲覧履歴、連絡先、好みなどについて他者が知る機能など存在すべきではない」(クック氏)
Facebookや米Googleとは異なり、Appleの主な収入源は広告ではない。クックCEOは一貫してAppleはユーザーの個人情報を利用していないことをアピールしている。2016年には米連邦捜査局(FBI)に捜査協力で故人のiPhoneのロック解除を要請され、これを拒否した。
Appleは一方で、クラウドサービス「iCloud」の中国でのサービスについて、中国の法規制に準拠するために運営を中国の企業Guizhou on the Cloud Big Data Industrial Developmentに移管したと発表し、中国政府によるユーザーデータの検閲を許したことになるとして批判を浴びている。
クック氏は中国でのVPNアプリを削除した際、「たとえ方針に賛同できなくても、各国の政府と協力していくことが重要だと信じている」と語った。
関連記事
- イーロン・マスク氏、TeslaとSpaceXのFacebookページを削除
Facebookのデータスキャンダルで拡散するハッシュタグ「#deletefacebook(Facebookを削除しよう)」を見たイーロン・マスク氏が、経営するTeslaとSpaceXのFacebookページを削除した。 - 「Facebookから広告を引き上げる」とMozilla
Facebookデータスキャンダルを受け、MozillaがFacebookから広告を引き上げると発表した。十分なユーザー保護対策が実施されれば再開するとしている。 - Facebookのデータ不正流用問題で考えたい、個人情報をSNSにさらすリスク
米国で大きな問題になっている「Facebookデータスキャンダル」。日本のSNSユーザーにとっても人ごとではない、この問題の経緯や自衛策をまとめました。 - 「Appleにはあなたのデータとプライバシーを守る責任がある」とクックCEO
Appleのティム・クックCEOは、「iPhone SE」などを発表したイベントの冒頭で、FBIへの協力拒否問題に触れ、「われわれはデータとプライバシーを保護する責任から逃れるつもりはない」と語った。 - AppleのクックCEO、「ユーザーの情報をマネタイズするのは間違っている」
プライバシー擁護団体EPICの「Champions of Freedom Awards」を受賞したAppleのティム・クックCEOがその祝賀イベントで、広告ベースの企業を「ユーザーをなだめすかして個人情報を奪い、それでビジネスしている」とかなり激しい言葉で非難した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.