仮想(暗号)通貨「Ethereum」(イーサリアム)のブロックチェーン技術を使ったSNSが登場した。「Numa」と呼ばれるそのSNSはイーサリアムブロックチェーンとP2P分散ファイルシステムプロトコルのIPFS(InterPlanetary File System)をベースに構築された分散型SNSで、ActivityPub互換の連合機能によりマストドンなどとやり取りもできる。
このプロジェクトのここ数カ月取り組んでいるという開発者のハンク・ストーバーさんは、教育用プラットフォーム「Kadenze」の開発にも携わるなど、多くの実績を持つ米国在住のエンジニアだ。
Hacker Newsにハンクさんが投稿したコメントによれば、NumaではEthereumのスマートコントラクトがネットワークの全データをトラッキングする。コントラクトにはIPFSのハッシュのみが受け渡される。IPFSオブジェクトはユーザー、メッセージ、フォロー、お気に入りなどの情報が含まれるJSONファイルとなっている。
サーバはオープンソースで、自分でゲートウェイを作りネットワークに接続することも、自分のネットワークを構築することもできる。プライベートキーによってどこでも同じように自分のアカウントにアクセス可能だ。ゲートウェイサーバはActivityPub準拠だ。
Numaアプリケーションは全てのアクションを1つのトランザクションでバッチ処理するため数セントしか使わないという。サインアップ、メッセージの投稿などは自分のイーサリアムに手をつける必要がない。ブロックチェーンにポストしてバッチをコミットするまでは、同じサーバの中でのやりとりはされる仕組みだ。
ブロックチェーン+Fediverseの試みとしては、失敗に終わったhivewayが思い出されるが、Numaは注目しておいたほうがいいかもしれない。
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