ニュース
電子書店5社が「日本電子書店連合」設立 読者に「正規版」購入促す
電子書籍配信サービスを運営する5社が、海賊版サイト対策や、読者への「正規版」購入の啓蒙を行う業界団体「日本電子書店連合」を設立した。
電子書籍配信サービス「めちゃコミック」を運営するアムタスなど、電子書店5社は4月16日、業界団体「日本電子書店連合」(Japan E-Bookstore Association)を設立した。海賊版サイトへの対策や、読者への「正規版」購入の啓蒙などを行う。他の事業者にも連携を呼び掛け、健全な電子書籍市場の発展を目指す。
アムタスの他、「eBookJapan」のイーブックイニシアティブジャパン、「コミックシーモア」のエヌ・ティ・ティ・ソルマーレ、「Renta!」のパピレス、「まんが王国」のビーグリーが参加する。
海賊版サイトを巡っては、政府が13日、ISP(インターネットサービスプロバイダー)による自主的なブロッキングを促すなど緊急対策を決めたが、5社は「読者に対する正規版購入への理解と啓蒙活動が不可欠」とし、「これは電子書店が率先して行うべき役割」と考えているという。
新団体は、そうした啓蒙活動の他、市場関係者との連携を含む海賊版サイト対策、健全な市場発展を阻む事象への対応――などを行う予定。「正規版購入を促す取り組みを進め、利益を適切に還元することで出版社や著者が創作活動に力を注げる環境整備に尽くしていく」(同団体)としている。
関連記事
- 海賊版サイトブロッキング「心強いが、諸刃の剣」 漫画家・ちばてつや氏
政府が緊急対策としてまとめた海賊版サイトのブロッキングについて、漫画家のちばてつや氏は、「とても心強さを感じた」とともに、表現の自由の制約につながる「諸刃の剣」になりかねないとの心境を明かした。 - 出版業界、政府の海賊版サイト対策を歓迎 講談社など緊急声明「ISPの協力が不可欠」
政府が漫画の海賊版サイトへの対策を決定したことを受け、講談社や集英社が緊急声明を出した。「ISPの協力が不可欠」「大きな前進」と、政府の対策を歓迎する姿勢を示している。 - 政府、海賊版サイト遮断促す 「漫画村」「Anitube」「MioMio」名指し 法整備までの「緊急対策」
海賊版サイトのブロッキングについて、政府は法整備を進めることを決めた。立法までの間の「緊急対策」として、「漫画村」「Anitube」など「悪質」と認めた3サイトに限り、民間によるブロッキングが「適当」と位置づけ、ISPなどによる自主的な遮断を促す。 - 「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」「漫画村は国内から配信されている」 楠正憲さんに聞く
政府が海賊版サイトのブロッキングをISPに要請するとされる問題。ネット規制問題に長く関わってきた楠正憲さんは「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」だと指摘する。また、「漫画村は国内から配信されている」という。 - 「海賊版サイトブロッキング」反対声明続々 ISPや婦人団体、与党議員も……橋本岳氏「国会軽視だ」
漫画の海賊版を掲載するサイトのブロッキングを政府がISPに要請する伝えられている問題について、反対声明が相次いでいる。12日には、JAIPAや婦人団体、自民党の橋本岳議員なども、反対する声明を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.