Facebook傘下のWhatsApp創業者が退社へ 個人情報保護で対立との報道
Facebookが2014年に買収したWhatsAppの共同創業者、ジャン・コウムCEOが退社すると自身のFacebookで発表した。ユーザー情報を広告に利用するかどうかなどでFacebookと対立していたとWashington Postが報じた。
米Facebook傘下のWhatAppの共同創業者でCEOのジャン・コウム氏が4月30日(現地時間)退社すると発表した。「しばらくはテクノロジーと無関係のことをして休む」と自身のFacebookで語った。
この投稿の10分後にはFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが「ジャンからは暗号化や人々に力を与える方法についてなど、多くを学んだ。こうした価値はこれからもWhatsAppの中心にある」というコメントを付けた。
米Washington Postによると、コウム氏はWhatAppの運営方針やFacebookによるWhatsAppのユーザー情報利用などで親会社であるFacebookと対立していたという。
WhatsAppは2009年に、米Yahoo!の同僚だったコウム氏とブライアン・アクトン氏(昨年11月に退社)が立ち上げ同名のメッセージングサービス企業。Facebookが2014年に218億ドルで買収した。コウム氏は買収後も同社のCEOを務め、Facebookの取締役にもなった。
同社はユーザーのプライバシーを重視し、2016年には完全暗号化を実現。5月に実施予定の利用規約とプライバシーポリシーの改定の説明でも、Facebookの広告のためにWhatsAppでの個人情報を共有することは「現在は」ないと説明している。
昨年退社した共同創業者のアクトン氏は、FacebookのCAスキャンダルの際、Facebookをやめるようユーザーに呼び掛ける#DeleteFacebook運動を展開した。アクトン氏は現在、WhatsAppと競合するプライバシー重視のメッセージングサービスを提供する非営利団体Signal Foundationの会長を務めている。
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