ゲート式駐車場も予約やキャッシュレスを可能に 駐車場シェアの「akippa」が新システム
駐車場シェアリングサービス「akippa」を運営するakippaが、出入管理や入退室管理のシステムを手掛けるアート(東京都品川区)と共同で「シェアゲート」を開発。入口で駐車券を取って出口で清算を行う「ゲート式駐車場」でもアプリによる予約とキャッシュレス決済が可能になる。
駐車場シェアリングサービス「akippa」を運営するakippa(大阪府大阪市)は5月9日、出入管理や入退室管理のシステムを手掛けるアート(東京都品川区)と共同で、ゲート式の駐車場を事前に予約し、キャッシュレスで利用できるシステム「シェアゲート」を発表した。akippaのスマホアプリで予約と決済をしておけば、駐車場でアプリ画面をタップするだけでゲートが開くという。
akippaは、スマホアプリやWebサイトから駐車場を検索し、最小15分単位で予約できるサービス。料金はクレジットカードまたは携帯料金と一緒に引き落とされる「キャリア決済」(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)で支払う。
akippaには全国約2万カ所の駐車場が登録されているが、ゲート式駐車場は有人の場合に限られていた。出庫時に清算を行うゲート式駐車場で予約や事前決済を実現するには、「管理人へ予約内容を提示して割引券をもらい、それを使って出庫する」必要があるためだ。シェアゲートの導入により、無人のゲート式駐車場もakippaに登録、利用してもらうことができるという。
シェアゲートには、アートのIoTプラットフォーム「ALLIGATE」を活用した。ALLIGATEは、専用基板を組み込んだ製品の利用権限(トークン)を任意のスマホに付与し、そのログ情報などをクラウドで管理する。今回は駐車場の予約情報や利用権限の管理に使用した。
利用者は、ゲートを通過する際にスマホアプリを開き、画面を1度タップするだけ(Bluetoothはオン)。BLEで認証が行われ、ゲートが開く仕組みだ。スマホを持っていない人の場合は、5桁の暗証番号を端末のテンキーで入力すれば同じようにゲートが開くという。
akippaでは、訪日外国人旅行者など「車に乗らない顧客」が増え、空きが多くなってきているホテルの駐車場や、商業施設の駐車場、コインパーキングなどでの活用を見込む。2018年内にシェアゲート導入の申し込み審査を通過した駐車場オーナーには、導入・運用費用0円(全額akippa負担)で提供し、2019年末までに1000カ所への導入を目指す。「大きな駐車場を持つパートナー企業と組んで一緒に需要を喚起できるといい」(akippa広報担当)。
5月9日時点で大和ハウスパーキングが有明セントラルタワーの駐車場(Dパーキング有明セントラルタワー)に導入を決定。同日から予約を受け付け、10日からまずはテンキー操作に対応する。12月末にはBluetoothによる認証にも対応する見込み。
akippaの金谷元気社長は「駐車場が多いほどユーザーが集まり、ユーザーが多くなれば収入が増え、駐車場も増える」と話す。「駐車場シェアリングサービスは競合もどんどん参戦してきているが、先回りした施策を打って対抗していきたい」(金谷社長)
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