大幅減益のカドカワ、ニコ動で苦戦
カドカワが2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結決算を発表。動画共有サービス「niconico」の有料会員数減少などが響き、大幅な減益だった。
カドカワが5月10日に発表した2018年3月期(17年4月〜18年3月)の連結決算は、営業利益が前期比62.6%減の31億円と大幅な減益だった。動画共有サービス「niconico」の有料会員数減少などが響いた。
売上高は2067億円(前期比0.5%増)、純利益は10億円(同82.0%減)だった。niconicoをはじめとするWebサービス事業の売上高は前期比7.2%減の290億円で、10億円の営業損失を計上(前期は28億円の黒字)。
niconicoの新バージョン(く)(クレッシェンド)やスマートフォン向け新サービス「nicocas」(ニコキャス)の開発が遅れ、有料の「ニコニコプレミアム会員」(月額540円)も207万人に減少(17年12月末時点で214万人)。その他、開発投資や既存サービスの改善費用などが減益につながった。
17年4月に開催した大規模リアルイベント「ニコニコ超会議2017」では、2日間の来場者数が過去最高の15万4601人(2017年当時)を記録したが、有料会員の減収分をカバーできなかった。
出版事業と映像・ゲーム事業も、それぞれ営業利益が60億円(同28.1%減)、28億円(同13.2%減)と減益。出版事業は新工場や新規事業への投資に加え、前期のヒット映画「君の名は。」関連書籍の反動も減益に影響した。映像事業も「空海」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」は好調だったものの、その他の実写が計画を下回った。
19年3月期(18年4月〜19年3月)は、売上高2130億円、営業利益80億円を見込む。
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