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マリンスポーツの4K映像、5Gで伝送 ドコモが海上実験
NTTドコモが、第5世代移動通信方式(5G)を使い、海上で4K映像を伝送する実験に成功した。マリンスポーツのパブリックビューイングなどで活用を見込む。
NTTドコモは5月21日、第5世代移動通信方式(5G)を使い、海上で4K映像を伝送する実験に成功したと発表した。マリンスポーツ選手の迫力ある映像を、離れたところにあるパブリックビューイング会場でライブ放映できたという。
実験は、ウインドサーフィンの大会「ANAウインドサーフィンワールドカップ横須賀大会」(5月10〜15日、神奈川県横須賀市・津久井浜海岸)で実施した。海岸から300メートル〜1キロメートル離れた海上に停泊させた船舶のデッキに設置したカメラや、ドローンに搭載したカメラで映像を撮影。カメラ4台分のフルHD映像を集約して4K映像を生成し、船舶に搭載した5G移動局から陸上の基地局へ無線伝送した。
5Gを効率よく伝送するには、電波を放射エリアの特定方向に集中させる「ビームフォーミング」や、5G移動局の動きに合わせて電波の方向を変える「ビーム追従機能」が必要になる。ただ陸上とは違い、海上の船舶が波の影響を受け、基地局に対し垂直方向に大きく揺れたり、停泊するために回ったりするのを考慮しなければならない。
そこで、基地局と移動局の双方にビームフォーミング技術を実装した他、より高効率、高精度なビーム追従技術を駆使し、海上でも安定した無線伝送が可能になったという。
実験の成果は、無線通信技術のイベント「Wireless Technology Park 2018」(5月23〜25日、東京ビッグサイト)で展示する。
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