FacebookのザッカーバーグCEO、欧州議会でも個人情報流出問題について謝罪
Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOがEUの欧州議会の会議に出席し、個人情報流出問題についてあらためて謝罪した。間もなく施行のGDPR「一般データ保護規則」を順守するとも語った。
米Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは5月22日(現地時間)、欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会の会議に出席し、個人情報流出問題について改めて謝罪した。
欧州議会は公式Facebookページでこの会議をライブ配信し、その後録画を公開した(記事末に転載)。
欧州議会は、「ザッカーバーグ氏との会議で、多くの問題を明確にし、個人データの使用に関する詳細な約束を保証することができた」と評価した。アントニオ・タヤーニ議長は「ザッカーバーグ氏のEU市民への謝罪は、信頼回復への第一歩だ」と語った。
だが、会議に参加した欧州自由民主同盟(ALDE)代表のヒー・フェルホフスタット氏は、「今日の会議は事前に調整されたもので、ザッカーバーグ氏は質問を回避できた。Facebookからの書面による回答があると信じる。詳細で正確な回答がなければ、EUの競争当局は対処する必要がある」とツイートし、Facebookからのさらなる説明が必要だと主張した。
例えば、ユーザーにターゲティング広告を回避する機能を提供する予定があるのかという質問にイエスかノーかで答えよという質問にザッカーバーグ氏ははっきりと回答せず、「確認して後で回答させる」と答えた。
EUは25日に「General Data Protection Rules(GDPR、一般データ保護規則)」を施行する。ザッカーバーグ氏はこれを順守すると改めて語った。
フェルホフスタット氏は、「真実を語っているのか? あなた(ザッカーバーグ氏)はCambridge Analyticaスキャンダルの発覚後に非EU市民の欧州でのデータを欧州外に移行した。それはEU法で禁じられているのに」とツイートした。
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