「それはセクハラ」「パワハラになります」 匿名メールで相手に通知「ソレハラ」
セクハラやパワハラの被害者が、匿名の注意メールを加害者に送れるWebサービス「ソレハラ」を、ベンチャーのクアレレが提供している。組織内のハラスメントを軽度な段階で相手に認知させる狙いがあるという。
Webベンチャーのクアレレ(神奈川県藤沢市)は5月30日、ハラスメントの代理通知サービス「ソレハラ」の提供を始めた。セクハラやパワハラの被害者が、匿名の注意メールを加害者に送れる。Webブラウザ上で無料で使える。会員登録は不要。
専用サイトで「ハラスメントの種類」(セクハラ、パワハラなど)や「ハラスメントのレベル」(日常茶飯事、裁判/告発レベルなど)を選び、相手のメールアドレスを入力すると、本人に匿名のメールを送れる。
メール内容は「○○ハラスメントを行っています」と注意を促す内容で、送られた側は「心当たりがある/ない」「言ってくれてありがとう/直します/君の誤解だ」といったリアクションを返せる。注意した側は、相手のリアクションをWebサイト上で確認できる。
クアレレは「ハラスメントは行う側が気づいてないことが多く、放置しておくといきなりの離職や訴訟などにつながる可能性がある」と指摘。ソレハラは、組織内のハラスメントを軽度な段階で相手に認知させる、という狙いがあるという。
同社の吉田樹生代表取締役は「居眠りをしながら仕事をしているメンバーに、何げなく『カフェイン剤がそこにあるから飲むべきでは? コーヒーの20分の1のコストですよ」と言ったところ、『それはパワハラになります』と笑いながら言われた」という。
行為や発言がハラスメントに該当するかは「受ける側の価値観に委ねられる」とし、「どこまでがハラスメント行為なのか、世代や上下関係の壁を超えて教え合うことで、最悪の事態を防げる」(同社)としている。
同社によれば、法人向けにもサービスを試験提供しており、将来は課金制に移行する計画。また、匿名メールの内容からハラスメント情報のデータを分析し、「どのような場面・人間関係でハラスメントが起こるか」が分かるツールを開発・提供する予定だ。
関連記事
- 「質問箱」、開設した4割以上が「質問ゼロ」
匿名質問サービス「Peing-質問箱-」で、質問を募集したユーザーのうち4割以上が質問0件だったと運営元が明らかにした。 - 「1人で6時間で作った」 Twitterで匿名質問「Peing」人気、月間2億PV超えへ
Twitterユーザーが匿名で質問を受け付けられるサービス「Peing」が流行している。開発したのは26歳の個人開発者・せせりさん。わずか6時間で作ったという。 - 厚労省の“ブラック企業リスト”をグラフで可視化 Webサイト「ブラック・ブラック企業」登場
労働関係の法令違反で書類送検された企業を、都道府県や違反法令別などで一覧・検索できるWebサイト「ブラック・ブラック企業」が登場した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.