NEDO、宇宙ビジネスの起業家と投資家をマッチングする「S-Matching」設立
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が内閣府や経済産業省と、宇宙ビジネスのアイデアを持つ個人やベンチャー企業と投資家などをマッチングするプラットフォーム「S-Matching」(エス・マッチング)を設立。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月31日、内閣府や経済産業省と、宇宙ビジネスのアイデアを持つ個人やベンチャー企業と投資家などをマッチングするプラットフォーム「S-Matching」(エス・マッチング)の設立を発表した。プラットフォームを通じてマッチングの機会を提供することで両者の連携を促し、新たな宇宙ビジネスの創出や競争力の底上げを目指す。
宇宙産業は近年中小企業やベンチャー企業などの参入で拡大が期待されているが、アイデアを持つ起業家と宇宙分野に投資意欲がある投資家や事業会社は、互いをつなぐネットワークを十分に持っていないという課題があった。
S-Matchingでは専用サイトを通じて両者をつなぐ。起業家は自らのビジネスアイデアなどを直接投資家へアピールして実現につなげることができ、投資家はコンセプトから開発までさまざまなフェーズのアイデアをキャッチアップして宇宙ビジネスに参入できるという。起業家と投資家が直接コンタクトを取ることもでき、効率的でスピーディーなマッチングが行えるとしている。
専用サイトの登録や利用は無料で、起業家はベンチャー企業に限らず個人やチームでも応募可能。アイデアも「10年以内の事業化を想定しているもの」や「すでに事業化しているもの」などさまざまな開発フェーズのものを投稿できるという。投稿されたアイデアは、投資家のみが閲覧可能としている。
S-Matchingでは5月31日からアイデアの募集と、投資家や事業会社の入会申請の受付を開始。6月上旬からS-Matchingのサイトで実際にマッチングが可能になるという。
今後は内閣府宇宙開発推進事務局が立ち上げた「スペース・ニューエコノミー創造ネットワーク」(S-NET)や宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」などとも連携してマッチングを支援する他、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が進めている技術開発や技術実証を行う協業プログラム「J-SPARC」を通じた支援も行うとしている。
関連記事
- 山崎直子さん語る「なぜ今、宇宙ビジネスなのか」 内閣府と民間企業が“熱くなる”理由
宇宙ビジネスのアイデアコンテスト「S-Booster 2017」のローンチイベントで、宇宙飛行士の山崎直子さんが「今、宇宙ビジネスに取り組む理由」を語った。 - “宇宙旅行”実現へ H.I.S.が出資するベンチャー、2019年に無人機で実験
宇宙ベンチャーのPDエアロスペースが、2019年に無人宇宙機を宇宙空間に到達、帰還させるため、新型エンジンと機体の開発を進める。H.I.S.などから総額5.2億円を調達した。 - ソフトバンクやビル・ゲイツ氏、リアルタイム地球観測衛星のEarthNowに出資
米新興企業のEarthNowの高性能小型衛星によるリアルタイムの地球観測プロジェクトに、ソフトバンク、ビル・ゲイツ氏、Airbusなどが出資した。衛星はAirbusが製造し、将来的にはスマートフォンのアプリでリアルタイムの地球の映像を見られるようになるとしている。 - 宇宙から“風”観測――飛行機の燃料ロス抑えるアイデア 宇宙ビジネスコンテストで大賞
宇宙から観測した高精度の風データで、飛行機の燃料ロスを削減して経済効果を見込むアイデアが、宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster2017」で大賞を受賞した。 - 月隕石から水由来の鉱物発見 月に大量の氷がある可能性も
月から地球に飛来した「月隕石」から、生成に水が不可欠とされる鉱物「モガナイト」を発見したと、東北大学学際科学フロンティア研究所の鹿山雅裕助教ら共同研究チームが5月7日に発表した。月の地下に大量の氷が眠っている可能性もあるという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.