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Google、Chrome拡張機能のインラインインストールを終了へ 悪用への苦情受け
Googleが、Chrome拡張機能をWebサイトから直接インストールできる「inline installation」を終了すると発表した。9月にはすべての拡張機能で無効になる。ユーザー体験の勝手な変更などへの苦情が多かったためとしている。
米Googleは6月12日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」の拡張機能をWebサイトのボタンから直接インストールする機能「inline installation」を段階的に終了すると発表した。これで拡張機能はChromeウェブストアでしか入手できなくなる。
ユーザーから、拡張機能によってChromeでの体験が予期せず変更されるという多数の苦情が寄せられており、そのほとんどがinline installationで追加した拡張機能に関するものであるためとしている。
inline installationは、2011年リリースの「Chrome 15」で利用可能になった機能。WebオーナーがAPIを使って自分のWebサイトにボタンを設置できる。
Chrome拡張機能は、以前はAndroidアプリ同様にウェブストア以外からもインストールできていたが、ユーザーの許可を得ずに自動インストールされる拡張機能などの問題を受けて規制が厳しくなり、2015年5月には拡張機能のChromeウェブストアでのホスティングを義務付けた。
inline installation終了のタイムラインは以下の通り。
- 6月12日:新規公開の拡張機能でのinline installationが不能に(ユーザーがボタンをクリックするとストアにリダイレクトされる)
- 9月12日:既存の拡張機能でも不能に(ユーザーはストアにリダイレクトされる)
- 12月初旬:Chrome 71のリリースと同時に、API自体が削除される
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