Google、「サードパーティ開発者がGmailの内容を読んでいる」報道について説明
Wall Street Journalによる「サードパーティアプリがGmailのメールから情報を集めている」という記事について、Googleが「ユーザーに許可を得ているし、開発者は厳しく審査している」と説明した。
米Googleは7月3日(現地時間)、「Ensuring your security and privacy within Gmail(あなたのGmailのセキュリティとプライバシーを保証します)」というタイトルのブログを公開した。前日に米Wall Street Journalが公開した「Tech’s ‘Dirty Secret’: The App Developers Sifting Through Your Gmail(IT企業の“汚れた秘密”:アプリ開発者はあなたのGmailから情報を集めている)」という記事を受けたものだ。
Wall Street Journalはこの記事で、例えばメールマーケティング支援企業の米Return Pathが、Gmailアプリのユーザーのメールの内容を解析しており、約8000件のメールを人間のエンジニアが読んだと報じた。
Googleは、Gmail APIによってサードパーティーアプリの開発者がメールのメッセージにアクセスできることは事実だが、許可する前に厳しい審査を設けており、アプリユーザーに対してはアプリのインストール時に開発者がどのようなデータにアクセスするかを明示していると主張し、審査プロセスとユーザーによる承認について説明した。
Googleは、インストール時の権限についての説明画面の例を示し、「非Googleアプリへのアクセスを許可する前に、権限画面を確認することを強く勧める」としている。サンプルの権限画面では、インストールしようとしているアプリがGmailのメールを読み、送信し、削除することと、連絡先とカレンダーを管理することへの許可を求めている。
Return Pathも前日に公式ブログで、Wall Street Journalの報道には、少なくとも自社については誤りはないが、8000件のメールを人間が読んだというのはAIの学習データ作成のためであって常に人間が読んでいるわけではなく、読む際はデータの匿名化など、扱いには十分注意していると説明した。
Googleは、Gmailでの自動処理についても説明した。Gmailはスパムやフィッシングメールの99.9%以上を遮断するなど、世界レベルの安全機能を持っており、こうした安全のための機能を提供するためにメールを自動処理している。また、「スマートリプライ」も自動処理によって可能になっている。
この自動処理は「Googleがメールを読んでいる」という誤解を受けることがよくあるが、人間が読んでいるわけではないと強調。Googleは、バグ修正などのセキュリティ上の理由あるいは虐待の調査など同意を取り付けた場合を除き、Googleの人間がGmailを読むことはない」としている。
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