「SNS見る専」卒業のすすめ わたしが“発信者”になる理由:ITりてらしぃのすゝめ(2/2 ページ)
日本人は他国に比べ、インターネットやソーシャルメディアで「見る専」が多いとされている。でも、自ら発信していくとイイことがいろいろあるかも?
「見る専」が多い状況でのリスクは
同じように、この情報通信白書では「ブログ」「レビューサイト」「掲示板」に関しても統計データが公開されています。これを見ると、掲示板やレビューサイトで積極的に発信する人も少ないこと、そして他人の書き込みを閲覧する割合が高いことが分かります。これも実感として理解しやすいのではないでしょうか。
以前、消費者白書で「口コミサイトを信用するという若者が多い」という統計結果が出ていたということをお話しました。今回の白書と組み合わせると、積極的に発信している人は少ないが、皆それを信用しているということになるかもしれません。
積極的に発信している人が、本当に製品を手に入れ、真摯(しんし)なレビューをしているかが気になりますね。今回のデータを見ても、積極的にレビューサイトに書き込むのがわずか2.3%しかいないのに、「口コミサイトを信用する」となると、そこに“黒い商機”を見いだす人も出てきます。いわゆる、ステルスマーケティングですね。
まずは自分の得意分野から発信の練習を!
インターネット、特にソーシャルメディアが普及してかなりの時間が経過し、新しもの好きだけでなく、普通の人までがSNSを活用するようになりました。当初から活動を行い、積極的に情報を発信する人はSNSの世界で目立ち、称賛を浴びます。
しかしその上っ面だけをまねしても、本物の情報発信者にはなれないでしょう。情報を集め、それを分かりやすくかみ砕き、表現し発信することの下ごしらえは、なかなかSNSだけでは見えてきません。その難しさを知れば、確かに「見るだけ」になるのは分かります。
問題は、見るだけに徹すると情報の受け取り方を学ぶ機会を失うこと。そしてその状況につけ込み、自己満足のためにフェイクニュースを発信したり、他者のコンテンツを盗用して「バズる」部分だけをまねる投稿者が目立ち、結果として混乱を招くことです。
できれば、皆さんもまずは「発信」してみませんか。最初はいわゆる「鍵アカ」(特定の人だけに投稿が公開されるアカウント)でも構いません。バズることを目的とするのではなく、自分の気になることを記録していくだけでもいいでしょう。「自分の興味なんか誰も見向きもしない」なんて思う必要はありません。まずは自分の得意分野でいいんです。
1990年代のホームページは、そんなみんなの「大好き」が集まってできていました。RT数やいいね数、ページビューや広告収入なんて忘れて、自分の記録を発信し続けていきましょう。そうすれば、いい情報が自然と集まってくるはずですよ。
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