ファーウェイが発表したハイレゾ対応Bluetoothテクノロジー「HWA」とは?
LDACやaptX HDに続いて登場したハイレゾ対応コーデック、HWA。ファーウェイが発表し、既にNTTドコモの「P20 Pro」に導入されている。この技術の素性と内容を探る。
スマートフォンやポータブルオーディオプレーヤーに、イヤフォンやスピーカーなどのBluetoothオーディオ機器をつなぐ際、音質を決定付ける重要な要素の一つが、音声を無線伝送する際の圧縮変換方式、つまりコーデックだ。Bluetoothによるオーディオ信号伝送の規格(プロファイル)であるA2DPに対応するコーデックとしては、これまでは最もベーシックなSBCのほかにAAC、aptXとLDACの4種類が存在していたが、このほど華為技術(ファーウェイ)が新しいワイヤレスオーディオのテクノロジー「HWA」(High-Res Wireless Audio)を発表した。
HWAは、LDACやaptX HDのようにBluetooth伝送でハイレゾ相当の高音質再生を目指した技術で、台湾の半導体メーカーSAVITECHが開発したオーディオコーデック「LHDC」(Low latency and High-Definition audio Codec)をベースとしている。HWA対応機器は、SAVITECHから供給されるハードウェアか、またはソフトウェアによるコーデックを搭載することになる。
HWAは、ベーシックなオーディオ用コーデックであるSBCの約3倍の情報量にあたる最大約900kbpsのビットレートでデータを伝送できるのが特長で、これはソニーが開発した「LDAC」(最大約990kbps)に迫る数字といえる。最大96kHz/24bitまでのハイレゾ音源を周波数帯域とビット深度を保ったまま処理できる点も特長。そして、HWAの認証デバイスは最大96kHz/24bit対応の「プレミアム」と、48kHz/24bitまでの「スタンダード」に分かれる見通しだ。
7月現在の対応機種は、ファーウェイの最新スマホ「P20 Pro」と「P20」の2機種。HWAのプロモーションサイトにはファーウェイのP20 Liteも対応機種として紹介されているが、どうやら本機はソフトウェアアップデートも含めてHWAに対応する予定はなさそうだ。日本国内でもNTTドコモが発売したP20 ProがHWAに対応していることを確認できたが、受信側のヘッドフォンやスピーカーが販売されていないため、今のところ音質は確認する手段がない。
現在HWAのパートナーとして名乗りを上げているブランドは幅広く、オーディオメーカーではゼンハイザーやAstell&Kern、オンキヨー、パイオニア、ティアックにラディウスなどが含まれている。今年の秋頃にはいずれかのメーカーからヘッドフォン、あるいはイヤフォンが発表されることを楽しみに待ちたい。
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