「サマータイム導入検討」IT関係者は反発 菅官房長官「決定した事実はない」
政府が東京五輪の酷暑対策としてサマータイムを導入する検討に入ったとの報道について、IT関係者からは導入に反発する声が上がっている。菅官房長官は「政府として決定した事実はない」と慎重な姿勢を示した。
政府・与党が、2020年の東京五輪・パラリンピックの酷暑対策として、夏の時間を2時間繰り上げる「サマータイム」を導入する検討に入ったとの報道について、IT関係者から強い反発の声が上がっている。導入するとなれば、ITシステムもサマータイムに対応させる必要があるが、「対応のための改修が間に合わない」「システム障害を招く」などと危ぐする声が大きい。
サマータイム導入について、菅義偉官房長官は8月6日午前の記者会見で、「政府として決定した事実はない」とし、慎重な姿勢を示した。
報道によると、五輪組織委員会の森喜朗会長が先月、安倍晋三首相にサマータイムの導入を要請。これを受けて政府・与党は、秋の臨時国会への議員立法提出を目指しており、2019、20年の限定導入になる公算が大きいと伝えられている。
サマータイム導入についての意見をTwitterで見ると、IT関係者から強い反発の声が上がっている。日本のITシステムは基本的に、サマータイムを前提として設計されておらず、導入にはシステムの大規模な改修が必要になるが、「改修が間に合わない」「システム障害が頻発する可能性がある」「恒久的に行うなら検討の価値はあるが、わずか2年間のためならコストがかかりすぎる」といった意見が多く出ている。
6日朝の会見で、政府がサマータイム導入を検討しているとの報道が事実かを問われた菅官房長官は、「報道は承知しているが、政府としてサマータイム導入を目指すとの方針を決定した事実はない」とした上で、「サマータイムは国民の日常生活に影響を生じるものであり、大会までの期間は2年と限られている」と指摘。五輪の暑さ対策については「競技開始時間の前倒し、沿道の緑化や路面の温度の上昇を抑制する舗装などの取り組みを進めており、ハードソフトの面から総合的な対策を徹底して取り組んでいきたい」と述べた。
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