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背負うには“重い”資材、これからは無人ヘリが運ぶ ヤマハ発動機が事業化
ヤマハ発動機と子会社の西日本スカイテックが、産業用の無人ヘリコプターを使った工業用資材・機材の運搬の実用化に向けて準備を進める。
ヤマハ発動機と子会社の西日本スカイテックは8月6日、産業用の無人ヘリコプターを使い、工事用の資材や機材を運搬する事業に、2019年度から本格的に取り組むと発表した。鉄塔の整備などに必要な資材・機材をヘリコプターで届ける。これまで背負って運んでいた作業員の負担や運搬時間を軽減できるという。
17年度から九州電力と協力し、送電線の工事現場などで資材・機材の運搬実験を行っていた。18年5月には宮崎県日向市で1日あたり672キロの資材を運搬できたという。
実験には、無線や衛星通信を利用して遠隔地から操縦可能な無人ヘリコプター「FAZER R G2」を活用。実験では、離陸・着陸時はラジコンと同じように無線で操縦し、それ以外は自動航行したという。6リットルの燃料で約100分、約90キロメートルを航行でき、重い荷物の運搬も可能。実験での最大積載量は26.5キログラム。
ヤマハ発動機は、もともと農薬散布など向けに無人ヘリコプターを開発していたが、近年は測量などにも用途を拡大。今回、資材の運搬にも挑戦した。
今後、ヤマハ発動機と西日本スカイテックは、九州電力の協力を得て資材の積載方法を改善するなど運搬効率や安全性を強化。全国展開に向け準備を進めるとしている。
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