アカマイ・テクノロジーズは8月23日、同社のbot検知システムをチケット販売サイト運営会社のイープラスに導入した結果、悪質なbotによるアクセスのブロックに成功し、チケット買い占め問題を改善できたと発表した。チケット購入のアクセスのうち9割超がbotだったという。
チケット販売サイト「e+」(イープラス)を運営するイープラスは、以前からチケットの転売目的と疑われるWebサイトへのアクセスに悩まされていた。これまで、難読文字や図形問題をユーザーに解かせる方法などを検討してきたが、難読文字は自動解析で突破されるためほぼ効果がなく、図形問題を提供する外部サービスも止まることがあったりと、期待する効果は得られなかった。
そこで、同社はキー入力やマウスの動きなどの振る舞いを機械学習してbotを検知・制御できるアカマイの「Bot Manager Premier」(BMP)を導入。BMPで、ある先行販売チケットの発売日30分間のアクセスログを分析したところ、アクセスのうち9割超がbotによるものだった。
イープラスのシステム開発グループエキスパートである尾崎欧州さんは、「私たちがそれまで把握していなかったbotのアクセスまで明らかになり、大きな衝撃を受けた」と明かす。
正規ユーザーの誤ブロックについても懸念していたが、導入後にユーザーからの問い合わせは1件も来ていないという。
チケット転売・買い占め行為を、「正規のユーザーが買えなくなるだけでなく、チケット販売を委託しているイベントプロモーターからの信用も大きく損なう」と問題視するイープラスにとって、今回の導入には一定の効果がありそうだ。
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