「ジンバルキラー」GoProは自社製品も殺すのか? CEOに直撃
「ジンバルキラー」を自称するアクションカムGoPro HERO7 Black。しかし、GoProはジンバルも売っている。その行方は?
GoProの創業者でCEOのニック・ウッドマン氏が9月25日、東京でアクションカムの新製品「GoPro HERO7」について語った。GoPro HERO7は3モデルで、フラッグシップモデルのBlackと、下位モデルのSilver、Whiteがある。目玉は27日に発売される高性能な手ブレ補正機能「HyperSmooth」を持ったBlackだ。価格は4万9800円(税抜き)。
GoProは前モデルであるHERO6 Blackで既に高性能の手ブレ補正機能を搭載していたが、HERO7 Blackではジンバルの必要性を感じなくなるほどの安定性を実現している。
同社はGoProと組み合わせるためのジンバル(スタビライザー)としてKarma Gripを約4万円で販売しているのだが、それすらも殺すのか。ウッドマンCEOに聞いた。「ジンバルキラー」というのは、著名YouTuberであるケイシー・ナイスタット氏のVlog(ビデオブログ)でウッドマン氏自ら発言したものだ。
――自社のジンバル製品であるKarma Gripは殺してしまうのか?
ニック・ウッドマンCEO 売り上げを注視していきたい。売れ行きは落ちていくだろうが、Karma Gripが必要なユースケースはあるだろう。しかし、ほとんどの消費者にとってはGoPro HERO7 Black単独で十分だと考えている。
Karma Gripはまだ販売されているが、新製品投入によってラインアップから消えた製品もある。GoPro史上最小のSessionだ。ウッドマンCEOに確認した。
――GoPro HERO Sessionは?
ウッドマンCEO 製造はもうやめている。いくつかのショップにはまだ残っているかもしれないけど。
HERO7 Blackの筐体はHERO6 Blackとほとんど変わらないが、ソフトウェア面では大きく進化している。
これまで不評だった内蔵マイクの音質が改善され、不要なノイズが入ることも少なくなった。ソフトウェアとメンブレンを改良したおかげだという。HyperSmoothだけでなく、タイムラプスビデオを進化させ、マトリックスの弾を避ける動作(ブリットタイムとして知られている)に似た映像を手軽に作れるようになったTimeWarpもユニークな機能だ。ユーザーインタフェースはスマートフォンを踏襲して使いやすくなった。
ドローンからの撤退で行方が危ぶまれたGoProだが、自社製品との食い合いを厭わないウッドマンCEOによる主力製品絞り込みと改良は予想以上に大きな波となりそうだ。
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