タクシー相乗り実験、マッチング率は1割 「同乗者への不安感」など課題も
国交省が、1台のタクシーを複数人で相乗りする実証実験の結果を発表した。申し込み人数は5036人に上ったが、利用人数は494人、マッチング率は約1割だった。
国土交通省は9月28日、スマートフォン向け配車アプリを活用し、1台のタクシーを複数人で相乗りする実証実験の結果を発表した。都内23区などで今年1〜3月に実施したところ、申し込み人数は5036人に上ったが、利用人数は494人、マッチング率は約1割だった。同乗者への不安感が強いなど、課題も浮き彫りになった。
実証実験は、配車アプリ上で乗降車地を設定すると、同じ方向に向かうユーザー同士をマッチングする仕組み。利用者の約75%(369人)が男性だった。申し込み人数が最多の時間帯は午後7時〜午後11時だったが、マッチング率が高かったのは午後1時〜午後6時だった。
相乗り運賃については、利用者の約74%が「安いと思う」と回答。本格導入されたら「また利用したい」と答えた人は、約74%に上った。
一方、国交省がネット上で実施したアンケート調査では、相乗りタクシーに対する不安を抱える人が少なくないことが分かった。約5割が「同乗者とのトラブルに巻き込まれるのではないか」と回答。利用したくない理由は「相乗りする人がどういう人になるか分からないから」が、男性で約59%、女性で約71%を占めた。ネット調査は1月22日〜2月4日、同省のモニター940人を対象に実施した。
これらの結果を踏まえ、同省は(1)申し込み人数の増加やマッチング効率を上げる工夫が必要である、(2)同乗者への不安感を解消する必要があるとし、「制度化に向けて取り組むべき課題が明らかになった」としている。
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