Amazonのリアル店舗に抱いた違和感 “星4つ”商品だけ並ぶ、NYの「4-star」に行ってみた(2/2 ページ)
米Amazonがニューヨーク・ソーホー地区にオープンしたリアル店舗「4-star」に行ってきた。そこで記者が感じた違和感とは。
例えば、店に商品として並ぶタブレット端末は、Amazonオリジナルの「Kindle Fire HD」シリーズのみ。スマートフォンや映像機器などの周辺機器ケーブルはプライベートブランド「Amazon Basic」の商品しか見当たらなかった。全く関係のない商品カテゴリーの棚に、唐突にKindle Fire HDなど自社ブランドの商品が配置されていることも。ここがAmazon.comの店であることを強く印象付けられた。
さらに店内を見渡して感じたことは、記者のようにAmazonを使い慣れた人にとっては少々退屈に思えることだ。当たり前の話でもあるが、Amazon.comのWebサイトで見かけるおすすめ商品や人気ランキングと店の商品ラインアップがほとんど変わらないからだ。
記者なら、わざわざ店に足を運ばずに手元のスマートフォンで人気商品のトレンドをチェックして購入まで済ませるだろう。店舗の客層を見ると、初めて訪れた観光客が多数を占めているように感じられた。入り口で写真を撮り、店内を1周してそのまま帰るような人ばかりだったからだ。
この店舗は、これまでAmazon.comをあまり使ってこなかった層に対して、「Amazon」というブランドに親しみを感じてもらうような狙いがあると感じた。この店舗における商品の売り上げをビジネスの主力にするつもりはないのかもしれない。
Amazon.comは無人店舗「Amazon Go」や、書籍だけを取り扱う「Amazon Books」など、リアル店舗に力を入れている。Amazon 4-starもオープンから1カ月しかたっていないが、今後の動向に期待したい。
ニュース解説番組「NEWS TV」で記事をピックアップ
ITmedia NEWS編集部がYouTubeでお届けするライブ番組「ITmedia NEWS TV」で、この記事を取り上げています。ぜひ視聴・チャンネル登録をお願いします。
関連記事
- ECで流通を革命したAmazon 今なぜリアル店舗に注力するのか
ECで世界の流通と小売を革命した米Amazon.com。20年以上の歴史の中で何を行い、これから何を目指そうというのか。米国での動向を紹介しつつ、世界の流通と小売に多大な影響を与え続ける同社の戦略を分析する。 - Amazon.com、レビュー★4つ以上の商品だけを販売する実店舗をニューヨークに開店
Amazon.comが、オンラインストアのユーザーレビューで★4つ以上の評価を得た商品だけを販売する実店舗「Amazon 4-star」をニューヨークに開店した。プライム会員はプライム価格で購入できる。 - Amazonが日本の物流センターに初導入した“秘密兵器ロボ”「Amazon Robotics」を見てきた(動画あり)
米国と欧州で先行導入されていたロボットによる在庫管理システム「Amazon Robotics」が、国内で初めて神奈川県川崎市の「アマゾン川崎FC」に導入された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.