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AIが「バブル崩壊味のチョコ」を考えたら“とがった味”に 「おいしく作るのが難しかった」――制作者の苦悩(1/2 ページ)

NECのAI技術を活用して作った「あの頃は CHOCOLATE」は、ある年のムードを味で再現したチョコレートだ。どの味も「とがったものばかり」でレシピ制作は困難だった――レシピ制作者に聞く。

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 NECがこのほど発表した「あの頃は CHOCOLATE」は、AI(人工知能)を活用して新聞記事を分析し、その時代の“ムード”を味で再現したチョコレートだ。その味は「1969 人類初の月面着陸味」「1991 絶望のバブル崩壊味」など、ユニークで想像もつかない5種類。「どれもとがったものばかりで、レシピを作るのが難しかった」と、レシピづくりに関わったダンデライオン・チョコレート・ジャパンの担当者は話す。

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チョコレート制作に協力したダンデライオン・チョコレート・ジャパンの伴野智映子さん(左)

時代の“ムード”、どうやって味にする?

 チョコレートを作るため、NECは新聞の一面記事データから、頻出する600語の単語を選定。「熱い」「冷たい」など、時代の変化を感じられるような単語を選んだ。

 単語が持つ雰囲気を味に落とし込むため、ダンデライオン・チョコレート・ジャパンが7つの味覚指標(甘味、苦味、酸味、ナッツ感、フローラル、フルーティ、スパイシー)を決定。NECは600語全てに指標に基づくデータを設定し、過去60年分の新聞記事に載っている単語をAIに学習させた。学習データは合計約14万件に上ったという。

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開発プロセス

 その後、各年の新聞記事を分析し、味覚指標のレーダーチャートをそれぞれ作成。印象的な味覚が出た「1969年」「1974年」「1987年」「1991年」「2017年」の5つを選び、ダンデライオン・チョコレート・ジャパンにレシピ制作を依頼した。

 しかし、その依頼はレシピ制作者にとっては異例のものだった。

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