メルカリ、失効した売上金は「本人確認後に補填する」 対応方針明らかに
フリマアプリ「メルカリ」のユーザーから「利用制限されたまま振込申請期限が過ぎ、売上金が失効するかもしれない」と不安の声が上がっている問題について、同社が決算説明会で対応方針を明らかにした。
フリマアプリ「メルカリ」のユーザーから「利用制限されたまま振込申請期限が過ぎ、売上金が失効するかもしれない」と不安の声が上がっている問題について、メルカリの長澤啓執行役員兼CFOは、11月8日に開いた決算説明会で対応方針を明らかにした。本人確認が終わらずに売上金が失効してしまったユーザーには「後からきちんと(売上金を)補填することで対応している」という。
本人確認は「違反者以外にもお願いする場合がある」
メルカリでは、出品者が売上金を現金で受け取るために、一定期間内に「振込申請」をする必要がある。だが今年8月ごろから、「メルカリから利用制限の通知が届き、本人確認書類の提出を求められた」「提出後も対応してもらえず、申請期限に間に合わないかもしれない」といったユーザーの不安の声が上がっている。
同社の広報担当者によると、本人確認書類の提出は、メルカリが本人確認強化のために行っている施策。「社内ルールで『確認が必要』と判断したユーザーに対し、書類の提出を求めているため、規約違反者でなくても提出をお願いする場合がある」という。
ユーザーから提出された書類は、随時確認を進めているという。「振込申請期限が過ぎて売上金が失効してしまったユーザーでも、本人確認が終わり、問題がないと分かった人については、売上金が戻るようになっている」(広報担当者)。長澤執行役員も「個別の事情についてお答えすることはできないが、お客さまに真摯に向き合うつもりだ」と話す。
本人確認が終わるまでの間、ユーザーの売上金はメルカリが保管する。長期間にわたってユーザーの売上金を保管していると、資金決済法上の「資金移動業者」に該当するとみなされ、資産保全義務(100%以上の額を供託する義務)を負う可能性もあるが、「基本的に、前払式支払手段発行者の枠組みの中で対応する」(長澤執行役員)方針だ。資金決済法に抵触しない範囲に収まるよう、関係省庁とも話し合いを進めているという。
同社は悪質行為を行うユーザーや反社会的勢力の排除を目的に、今後も本人確認を強化する考え。「安全安心な取引が何より大事だと考えている」(長澤執行役員)
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